しぜんにタッチ!おおきくして はっけん! ざりがにのひみつ
- 監修:
- 武田正倫
- 写真:
- 武田 晋一
- 出版社:
- ひさかたチャイルド
絵本紹介
2025.05.19
日差しが強く半袖で過ごせる日もある5月、夏の訪れは年々早まっているように感じます。外の景色に目をやると新緑の木々は力強く伸び、昆虫たちも動きが活発でなんだか夏の準備を始めているみたい!季節に柔軟に順応する生命力には驚きと感動をおぼえます。
ご紹介するのは、生き物や植物の不思議に迫る絵本。
ザリガニ釣りのシーズン到来、獲ったザリガニを観察したいけれど動いてしまう時におすすめなのが『おおきくしてはっけん! ざりがにのひみつ』。体のパーツの拡大写真を実物と比べながら読むと楽しそう! とうもろこしの瑞々しさがギュッと凝縮した『みっちりつぶつぶ とうもろこし』は、いわさゆうこさんの最新作。皮を脱がすと顔を出す色鮮やかな粒、眺めているだけで喉がごくんと鳴ってしまいます。
野原や草むら、水辺などにすむ100匹の虫たちが大集合、綱引き大会で競い合う『100ぴき つなひき』は赤組、白組どっちが勝つかな?なんて想像力を掻き立てながら夢中になっちゃう。観音開きのページも圧巻!
本格的な夏はまだ先ですが、昆虫や生きもの、植物たちと会うのが待ち遠しくなるラインナップ。ぜひお楽しみください。
この書籍を作った人
宮城県生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。主な作品に『どんぐりノート』『まつぼっくりノート』『野の草なまえノート』(以上文化出版局)『うみにあいに』『コロコロどんぐりみゅーじあむ』(以上アリス館)『どんぐり見聞録』(山と渓谷社)「どーんと やさい」シリーズ(童心社)などがある。
この書籍を作った人
1973年、愛知県生まれ。幼稚園の頃の夢は、絵本をつくって売る人。子どもの本専門店「メリーゴーランド」(三重県四日市市)主宰の絵本塾に参加。『どうぶつドドド』(鈴木出版)で第22回日本絵本賞読者賞を受賞。その他作品に『ジェリーのあーな あーな』『ジェリーのながーい ながーい』『ジェリーのこーろ ころん』『バナナおいしくなーれ』『みかんおいしくなーれ』(大日本図書)、『ぐるぐるカレー』『ぐるぐるせんたく』『ぐるぐるジュース』『ぺったんこぺったんこ』(アリス館)、『わっかが8ぽんスポン!』(PHP研究所)、『ギョギョギョつり』(鈴木出版)、『ばんそうこう くださいな』(WAVE出版)などがある。
この書籍を作った人
千葉県生まれ。子供のころから、園芸好きの祖父と共に植物に親しむ。造園会社の仕事などを経てフリーに。現在イラストレーター、造園家として活躍中。著書に『夏のクリスマスローズ』(アートン新社)、『にわのともだ ち』(偕成社)など。
みどころ
「チアーリリー!」「ティーウティー」「フィービー」「クークークー」 夜明けとともに、鳥たちのコーラスが始まりました。レイチェルは、どの鳥の声も、全部聞きたくてたまりません。あたりは生きものたちの音楽でいっぱい。ちいさなレイチェルは自然のリズムの中で暮らしていました。そしてよく見て、耳をすまし、感じたことを絵とおはなしに書くことの好きな女の子でした。
自然と共にすくすくと成長したレイチェルは、大学に進み生物学を学びます。そして海洋生物学者として働きながら、大好きな自然についての本を書きはじめたのです。しかしその頃、自然界ではおかしなことが起きていました。あちらこちらで、自然が声を失い始めたのです。レイチェルは自分のやり方で原因を探ります。
環境問題のベストセラー『沈黙の春』を描き、環境保護運動に大きな影響を与えた、生物学者であり作家でもあったレイチェル・カーソンの伝記絵本。レイチェルのひたむきな人生が、おしゃれな色合いのイラストで、丁寧に語られます。作者のステファニー・ロス・シソンは、小さな頃レイチェル・カーソンの本を読んで感動し、現在も作家・画家として影響を受けているそうです。巻末には「作者のことば」「監修者のことば」も添えられていますので、ぜひそちらも合わせて読んで、レイチェルの思いを感じてください。
この書籍を作った人
多くの絵本や子どもの本の挿し絵を手がけるイラストレーター。小さなころレイチェル・カーソンの本を読んで感動し、現在も作家・画家としてカーソンの影響をうけている。作品に『星のこども カール・セーガン博士と宇宙のふしぎ』などがある。アメリカ・フロリダ州とモーリシャス島を行き来して暮らしている。
この書籍を作った人
福島県で生まれ育つ。2007年にはじめての翻訳書『シャンプーなんて、だいきらい』(徳間書店)を出版する。訳書に『くらやみきんしの国』『死について考える本』『わたしのかぞく みんなのかぞく』(ともにあかね書房)、『モルモット・オルガの物語』『オルガとボリスとなかまたち』(ともにPHP研究所)、著書に『元号ってなんだろう 大化から令和まで』(岩崎書店)、「感染症と人類の歴史」全3シリーズ(文研出版)などがある。横浜市在住。JBBY会員、やまねこ翻訳クラブ会員。
この書籍を作った人
エッセイスト、レイチェル・カーソン日本協会会長。東京薬科大学卒業。研究室勤務、学会誌編集者を経て、現在にいたる。訳書に『海辺 生命のふるさと』『潮風の下で』『センス・オブ・ワンダー』などのカーソンの作品、伝記など多数。監修書に『13歳からのレイチェル・カーソン』、著書に『レイチェル・カーソン いまに生きる言葉』などがある。東京都出身。*レイチェル・カーソン日本協会ホームページ http://j-rcc.org/
文/竹原雅子
編集/木村春子