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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2017.06.01

『ドームがたり』読み聞かせレポート

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『ドームがたり』読み聞かせレポート

「原爆ドーム」。この言葉を聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか? 戦争? 広島? 原子爆弾……? 詩人、翻訳家として活躍しているアーサー・ビナードさんが文章を書き、スズキコージさんが絵を担当した、『ドームがたり』(玉川大学出版部)は、広島にある「ドーム」のひとり語りで進む物語。ドームの目から見た、広島の活気あふれる様子、戦争の影、そして、1945年8月6日のことが描かれています。今回は都内の小学校6年生に『ドームがたり』(玉川大学出版部)を読み聞かせしたレポートをお伝えいたします。

『ドームがたり』ってどんなおはなし?

どうも、はじめまして。ぼくの名前は「ドーム」。 あいにきてくれて、ありがとう。

ドームの挨拶から、物語ははじまります。
「ドーム」はもともと、広島の物産品を収集、陳列し、商工業に関する図書、新聞、雑誌などの資料を閲覧できる場所でした。大胆なヨーロッパ風の建築デザインによる建物は、非常に珍しく、当時の広島の名所のひとつだったそうです。

しかし、戦争が激しくなるに連れて、ドームの中を訪れる人々の様子が変わってきます。大人ばかりでなく、子どもの中も、戦争の影響が及ぼされるようになりました。

そして、1945年8月6日……。原爆投下により、「ドーム」は小さいつぶつぶ……「原子」が見えるようになります。
戦争が終わって、「原爆ドーム」と呼ばれるようになる「ドーム」。
その目に映るものとは……、心に感じることとはいったい何なのか……。

続きはぜひ、絵本でお楽しみください。

著者紹介

アーサー・ビナード/文
1967年、米国ミシガン州生まれ。コルゲート大学で英米文学を学び、卒業と同時に来日、日本語での詩作を始める。詩人、翻訳家として幅広く活躍。『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞、『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞、『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、『左右の安全』(集英社)で山本健吉文学賞、『さがしています』(童心社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。

スズキコージ/絵
1948年、静岡県生まれ。絵本や画集、舞台美術、壁画、ライブペインティングと多方面に才能を発揮する。『エンソくん きしゃにのる』(福音館書店)で小学館絵画賞、『ガラスめだまと きんのつののやぎ』(福音館書店)で講談社出版文化小絵本賞、『ブラッキンダー』(イーストプレス)で日本絵本賞大賞、『旅ねずみ』(金の星社)で赤い鳥さし絵賞を受賞。

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小学校での読み聞かせレポート

今回、協力していただいたのは、都内のとある小学校。6年生のクラスです。 絵本ナビスタッフが、まず、「原爆ドーム」の写真を見せてたずねます。

───この建物を見たことがある人。

生徒:ある! テレビで出ていた。

───なんという名前か、知っているかな?

生徒:原爆ドーム!

───みんな、よく知っているね。じゃあ、この「原爆ドーム」は最初から、「原爆ドーム」という名前だったと思う? 

生徒:……違うの?

───実は、「原爆ドーム」には、「原爆ドーム」という名前ではない、本当の名前があるんです。今日は、その原爆ドームを主人公にした絵本を読ませてもらいます。

子どもたちは、最後まで絵本をじっと静かに見てくれていました。
読み聞かせの後、6年生の子どもたちに『ドームがたり』の感想を聞きました。

Q.絵本の中で特に印象に残った場面を教えてください。

原爆が体に入ったり、爆だんが落ちてきたり、台風が来たりして怖い。
真上に落ちたのに、ドームがまだ立っているのがすごい。
絵が温かいというか、星とかきれいですごい。

わたしは、飛行機から、何かがおちてきたという場面が、心に残りました。今まで、鳥たちが、遊びに来てくれた、あの場所を、うちこわすような、場面がとても印象に残った。
できればもう見たくないような、場面だがどうしても、印象に残ってしまう、または、わすれていけないと思う。

げんばくがおちて ばくはつしてしまう所
最後の所(文も)
ドームが最初のすがたから、戦争があって今のすがたになってしまった所
ばくはつしてしまうところ

Q.絵本を読んで「原爆」や「ドーム」「核実験」「戦争」のことをどう思いましたか?

原爆、核実験、戦争はどれも悪いひびきだけど 地球のどこかでは必らずやっていることであり、これをやめるのはかなり難しいと思う。戦争が終わったら平和になると言われるけど 戦争がないというのはつまり、へいわでなくて ただ戦争がないということだから、平和というのは何だろうと考えました。

戦争は一しゅんにして多くの物を失うのでやってはならない事だとおもいました。ドームはこれから先、ずっと残っていてほしいと思った。

Q.「ドーム」に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけてあげたいですか。

「『ドーム』は目に見えない原子のせいでいろいろな動植物に迷惑をかけちて心配だ、と言っていたけれど それを心配するのは原爆をつくった人、それをつかった人、それを使わせた国 戦争を起こした国、つまり人間があやまらなければいけないから、ドームは何も悪くないよ」

「おつかれさま。」「よくがんばったな。ドーム。」
(←明るく笑顔でいいたい。)

……いかがでしたか? 子どもたちは「ドーム」の言葉に耳を傾け、作者のアーサー・ビナードさん、スズキコージさんの伝えたい思いを、しっかりと受け取ったように思いました。

文/木村春子
写真/所靖子
読み聞かせ/竹原雅子

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作品紹介

ドームがたり
ドームがたりの試し読みができます!
作:アーサー・ビナード
画:スズキ コージ
出版社:玉川大学出版部

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