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ジョン・クラッセンの原点が味わえる作画デビュー作『なんびきのねこたちおどる?』初翻訳出版! 犀の工房・出口有加さんインタビュー

ジョン・クラッセンは、『どこいったん?』『ちがうねん』『みつけてん』(共に、クレヨンハウス/訳・長谷川義史)などを手がけた、カナダの絵本作家です。
クラッセン初の自作絵本『どこいったん?』は、2012年のMOE絵本屋さん大賞で2位を受賞、2013年には2作目にあたる『This is Not My Hat』(邦題『ちがうねん』)で、アメリカの優れた子ども向け絵本に授与されるコールデット賞を受賞し、日本でも話題になりました。
そのクラッセンが作画を担当したデビュー作で、カナダの絵本賞を受賞した『Cat’s Night Out』の翻訳絵本『なんびきのねこたちおどる?』が、犀の工房から出版されました。
クラッセンの原点が味わえるデビュー作を出版した、犀の工房の代表・出口有加さんに、クラッセンの魅力や出版までの道のりをお伺いしました。

なんびきのねこたちおどる?
なんびきのねこたちおどる?の試し読みができます!
文:キャロライン・スタットソン
絵:ジョン・クラッセン
訳:いわじょう よしひと
出版社:犀の工房

★2010 年カナダ総監文学賞受賞作! ジョン・クラッセン 絵本デビュー作! よるのまちに おどるねこたち。2 ひき 4ひき 6ぴきとふえていって・・・・。さて ねこたちは  なんびきまでふえる?どようのよるに ろじうらでねこたちの たのしい ダンス・パーティーがはじまる!

今のクラッセンとはひと味違う、かわいらしいねこの絵が魅力

───どうして『Cat’s Night Out』を出版することになったのですか?

出口 子育てがきっかけで、絵本が大好きになったことが一番です。「かわいいな」「ステキだな」と思う絵本を買い集めていたら、家に絵本がいっぱいになって。子どもたちも絵本が大好きなので、「自分の大好きな絵本を出版したい」と、思い切って会社を立ち上げました。

───それはすごい思い切りですね!

出口 自分でも、信じられないです(笑)。そこで出版する作品を探している中で、ジョン・クラッセンが初めて作画を担当したという絵本『Cat’s Night Out』と出会ったんです。そして、イラストのタッチにすごく心を惹きつけられました。NYの裏通りをイメージさせるようなセピア色で、すごく大人っぽい雰囲気の中、かわいらしいねこたちが踊りながら増えていくんです。それが数え歌になっていて、おはなしにもユーモアがあふれているので、一目で好きになりました。

───クラッセンといえば、『どこいったん?』と『ちがうねん』のように、ちょっとドキッとするシュールなおはなしのイメージが強いですが、『Cat’s Night Out』の文は、キャロライン・スタットソンさんという作家さんが担当していますね。

出口 アメリカの絵本作家さんで、8冊ほど絵本を出版していますが、日本で彼女の本を出版するのは『Cat’s Night Out』が初めてになります。原書の英文は、韻を踏んだ文章になっていて、そのリズム感がいいなと思いました。キャロラインさんは、絵本制作の傍ら、図書館での読み聞かせやパペットショーなども行っていたので、声に出して読んだときのリズム感を大切にしていたのかもしれません。

───絵柄も、現在のクラッセンとはひと味違って、かわいらしさが前面に出ていますね。クラッセンが文も手がけた絵本に登場するキャラクターは、感情を感じさせない「目」にインパクトがありますが、『Cat’s Night Out』のねこは、ずっと目をつぶっておどっているんですよね。

出口 そうなんです! ねこの瞳ってすごく特徴的ですが、あえて目を描かないことで、個性や感情を感じさせない表現になっているのかなと思いました。セピア調の色合いでまとめていることも含めて、クラッセンの原点を感じていただけると思います。クラッセンを知らない方には、2本足で立ってダンスをする、ねこたちのかわいいしぐさを楽しんでもらえると、うれしいですね。

───みんな目を閉じているので、ダンスをしながらうっとりしているようにも見えます。オールドNYをイメージさせる背景も合わさって、全体的にオシャレな雰囲気の絵本だと思います。

出口 この本ならではのオシャレな雰囲気を、小さいお子さんにも感じてもらえれば。

───大人の世界をのぞき見するような、ちょっぴり背伸びした感覚が味わえそうですね。次のページでは、翻訳絵本出版のこだわりをお話してもらいます。

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ジョン・クラッセン(じょんくらっせん)

  • 1981年カナダ・オンタリオ州ナイアガラフォール生まれ。ロサンゼルス在住。『どこいったん』(原題『I Want My Hat Back,』)、『ちがうねん』(原題『This Is My Hat』)、『みつけてん』(原題『We Found a Hat』)からなる、人気のぼうしシリーズ絵本の作家。『ちがうねん』(原題『This Is My Hat』)は、2013年にケイト・クリーナウェイ賞とコールデット賞をダブル受賞している。

キャロライン・スタットソン(きゃろらいんすたっとそん)

  • 1940年アメリカ・ニューヨーク生まれ。絵本作家。創作のかたわら、図書館で読み聞かせやパペットショーを行う。日本未翻訳の作品に、『BY THE LIGHT OF THE HALLOWEEN MOON』、『MAMA LOVES YOU』、『PIRATE PUP』、『NIGHT TRAIN』などがある。2015年没。

いわじょう よしひと

  • 高校卒業後、渡英して音楽を勉強。翻訳学校にて、翻訳を学ぶ。訳書に『うみべのまちで』(BL出版)、『おでかけちゅうにたのしめる』シリーズ(ひさかたチャイルド)、『軋む心』(白水社)、共訳で『ライオン1頭』(BL出版)などがある。

作品紹介

なんびきのねこたちおどる?
なんびきのねこたちおどる?の試し読みができます!
文:キャロライン・スタットソン
絵:ジョン・クラッセン
訳:いわじょう よしひと
出版社:犀の工房
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