とっくんが栗をひろって、小さなトラックにのせます。
「とっくん トラック ぶぶー。」
どんぐり、くるみものせて、とっくんの小さなトラックは木の実でいっぱい。
森のおおきな切り株のところまで、トラックをひっぱってやってきました。
「そうだ、ここで おみせを ひらこう。」
色づいた秋の葉っぱは、のれん風に上から下げ、切り株に落ち葉を敷いて木の実をきれいに並べます。
さあ、おきゃくさんはやってくるでしょうか・・・?
来ました、来ました。
森の動物たちが、小さな葉っぱのお金をもって。
つぎつぎ、お気に入りの木の実を目当てに、とっくんのおみせにきてくれましたよ。
なかには、木の実じゃなくてちがうものを欲しい、動物さんもいて・・・!?
作者は「14ひきシリーズ」をはじめ数多くの作品で、心あたたまるファンタジー世界を私たちに見せてくれるいわむらかずおさん。
秋色にそまりはじめた森のなかを、小さな男の子が歩く姿。おみせやさんにあつまる動物たちの表情。
眺めるだけで心ときめく、やさしいタッチの絵が満喫できます。
洗練された少ない言葉と美しい絵で、子どもたちにたくさんのことを語りかけてくれる、いわむらかずおさんの絵本。低年齢から楽しめ、本をひらくひととき、親子ともに癒される・・・そんなすてきな絵本です。
「とっくんトラック」シリーズのほかの作品も、あわせて読んでみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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