だんまりうさぎはひとりきり、畑のまんなかにある家で暮らしていました。
そんな彼が出会ったのは、おしゃべり大好き元気いっぱいのおしゃべりうさぎ!
前作「だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ」で仲良くなったふたりですが、こんどはどんな姿を見せてくれるのでしょう。
雨がふりつづいているうえに、傘もこわれていて、とっても退屈なだんまりうさぎ。しかし、おしゃべりうさぎに会いにいく、いい方法を思いつきます!――「だんまりうさぎときいろいかさ」
こんど山をこえて海を見に行こうと、おしゃべりうさぎと約束しただんまりうさぎ。すると次の日、おおきな荷物を抱えたおしゃべりうさぎがたずねてきて!?――「だいこんばたけのだんまりうさぎ」
作家、安房直子さんによって生み出された名作童話が、装いあらたに新登場!
表題作ふくむ二編を収録した、「だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ」シリーズ第二弾。
畑仕事をして、花の世話をして、料理をして、言葉少なにおしゃべりうさぎの話に耳を傾ける。
だんまりうさぎの生活はそんなふうに、忙しくもゆったりのんびりなスローライフ。
表題作「だんまりうさぎときいろいかさ」では、壊れたレインコートを別のものへとリメイクするだんまりうさぎですが……
ミシンの手入れに一日。
レインコートの縫い目をほどくのに一日。
洗ったそれらを乾かすのに一日。
あわてることなく、ひとつひとつを、ていねいに、ていねいに、片づけてゆくその仕事ぶり!
なんだかこちらまで、心がのんびり、おだやかになっていくようです。
加えてこの作品の魅力は、登場するお料理のおいしそうなこと。
おしゃべりうさぎとふたりで想像する、たまごとバターをたっぷり使った黄色いおおきなホットケーキ。
それに、おしゃべりうさぎが作る、遠足のためのお弁当。
巻末には、前作に登場したお料理も掲載されていて、なんだかすごくおなかに訴えてくる絵本です!
ゆったりとした時間のなかで、友だちと食べるおいしいもの。
おとなもこどもも、心の芯から癒される童話です。
(堀井拓馬 小説家)
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