はなちゃんとお母さんが、いぬのクンクンのさんぽに出かけます。
公園のベンチでひと休みしたとき、お母さんがいいました。
「かわいいこが いるね」
「どこどこ?」とはなちゃんがさがすと…
いぬのクンクンは「かわいいこって、ぼくのことだよ! こんなにたのしそうにしっぽをふることができるんだから!」
チューリップも「かわいいこってわたしたちのことよ!」
ヒラヒラとやってきたチョウチョも「かわいいこって、わたしたちのことにきまっているわ」
はなちゃんは、「ほかにもかわいいこがいるかも」と歩きだしました。
なんともほのぼのして癒される絵本。
かわいいこには、かわいい理由があります。
楽しそうだったり、いいにおいがしたり…。
「かわいいこは、いませんかー!」
探してみると、まわりには「かわいこちゃん」がいっぱい。
そして「かわいこちゃん」を見つけられたあなたもきっと、かわいこちゃん!
ほら、ちょっと池をのぞいてみてごらんなさい。
作者の高畠じゅん子さんは、絵本の文の書き手としてご活躍ですが、絵まですべて手がけたのは今回がはじめてだそう!
絵のタッチはあたたかく、はなちゃんたちの表情や、池のまわりの自然の細やかな描写に、親しみやすい愛らしさがあります。
子どもたちが「かわいいこ」を探して見つけてきたら、はなちゃんのお母さんのように「すてき!」って、いっぱいほめてあげたくなります。
そして目の前の「かわいこちゃん」を笑顔にしてあげたいな、と、ほのぼのと思える絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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