「あっ にじさんだ!」
みずたまちゃんが見つけたのは、開け放った窓の外にちらりと見える綺麗な虹。
「にじさん にじさん あそぼうよ。」
みずたまちゃんは、虹が大好きなのです。急いで外へ飛び出し、虹の方へ駆け出していきます。さあ、追いつくかな? みずたまちゃんは「にじさん」と一緒に遊べるのかな?
「ねえ、にじさんは どこか しってる?」
追いかけていく途中、みずたまちゃんは虹色のねこやさかなや鳥たちに出会います。みんな、とにかく全身が綺麗な虹色。聞けば、みんな「にじさん」と一緒に遊んだって言うのです。いいな、いいな。みずたまちゃんは必死に探します。ところが、向こうの空から怪しい黒雲が近づいてきて…。
大好きな「にじさん」に会いたい一心で、ひたむきに走るみずたまちゃん。なかなか追いつけなくたって、思わぬ雨が降り出したって、一回家に戻らなくちゃいけなくたって、みずたまちゃんのその顔はとっても嬉しそう。だってね、遠くに見える「にじさん」のその姿。見たこともない形をしているんですもの! とんだり、およいだり、のびをしたりする…なんて言うんだもの!! ああ、絵本を読んでいる私だって「にじさん」と一緒に遊びたくなってきちゃった。
「うきうき、キラキラ、ピチャピチャ、ポツポツ、ふんわり」なんて表現したらいいのかな。かわかみたかこさんが楽しそうに描く、雨上がりの「にじさん」との世界。鮮やかで、眩くて、美しくて…!
良かったね、みずたまちゃん。その嬉しい気持ち、みんなにもちょっとおすそわけしてね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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