
男の子のルーはおじいちゃんが大好きでした。なぜなら、おじいちゃんはルーが呼ぶとすぐ来てくれて抱っこしてくれたのです。そのおじいちゃんは今はいません。おじいちゃんに会いたい、と母さんに言うと、母さんも赤ちゃんのとき、おじいちゃんが(その時はお父さんです)すぐに抱っこをしてくれたと話してくれました。親子二代にわたって赤ちゃんを抱っこしてくれたおじいちゃんはまさに親のカガミですね。
ゾロトウさんの十八番(おはこ)の子育て哲学の絵本です。

絵本に出てくるルーは、今何歳なのでしょう。
4年前に亡くなったというおじいさんが、たまにしか会ったことのなかったおじいさんが、まだ抱っこされるくらいに小さかったルーの記憶の中にいました。
そのことに感動する母親に共感しました。
自分と親との記憶ではなくて、子どもと祖父の関係で語られると、自分の知らなかった親の一面に気づかされたりします。
私自身の幼少期の頃の思い出を辿ってみました。
人はそれぞれに違う視点から人をみているから、同じ人間でも思い浮かべる人間像には差異があるのでしょう。
それは面白くもあり、哀しくもあり、しみじみとその人となりを思い起こす導入です。
お墓の中にいる人たちが、記憶の中にいることの大切さを思い起こさせてくれた絵本です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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