相棒の赤いだるまと走る『ポッポーきかんしゃ』のおはなしの続編です。前作では動物たちをたくさん乗せて、雨や雪の中を走っていたポッポーきかんしゃ。今回はよるが舞台です。
お顔をだるまさんにきれいにしてもらって眠りにつこうとしていたポッポーきかんしゃのところに、「ねむれないよう」とひつじさんがしくしくやってきます。さらには赤ちゃんも泣きながらやってきて……。さあみんなで、よるさんぽに出発です。
どこからともなくやってきた白いおばけたちが、泣いていたひつじさんや赤ちゃんをすっぽり包み込むようにして、一緒に乗ってあげています。泣きべそ顔がだんだんと笑顔になっていき、そして二人も夢の中へ……。電車の揺れは、きっと気持ちが良いのでしょうね。
「しゅっしゅっしゅっしゅっ ガタンゴトンガタンゴトン」「ガタンゴトン すーすーすー」といったオノマトペも心地よく、おやすみ前に読むのにぴったりの作品です。
「ももんちゃん」シリーズや『でんしゃにのって』の「うららちゃんののりものえほん」シリーズなど、子どもたちの素朴な姿をあたたかいタッチで描くとよたかずひこさん。エネルギー溢れる子どもたちを、いつも優しく包み混んでくれます。
ポッポーきかんしゃは、パパママにとって、なかなか寝付けない子どもを一緒に寝かしつけてくれる頼もしい助っ人。大人もファンになってしまうのではないでしょうか。
今回が2作目となる「ポッポーきかんしゃ」シリーズの、さらなる続編を期待します。
(出合聡美 絵本ナビライター)
続きを読む