もしも体が小さくなったら、見知った世界もまるで異世界!
夢にあふれたそんなお話は映画にアニメにいろいろあるけど、この絵本の「小さくなる」は、いくらなんでも小さすぎ。原子に、電子に、素粒子サイズ。こんな小さな世界から見れば、スギ花粉ですら太陽よりもはるかに大きいのです。
ボタンを一回ポチッと押せば、みるみる縮んで10分の1。世紀の大発明ミクロマシーンにに乗って、量子力学が支配する世界へ。魔法より不思議! ファンタジーよりリアル! 量子力学を絵本で学ぶ、「量子力学体験ツアー」シリーズ第2作です。
発明家のパパがつくった「宇宙のはじまりの模型」を、飼い猫のミケが食べちゃったから、さあ大変。 宇宙の種を回収するため、パパとソラとナミ、そしてロボットのヤクモが、ミクロマシーンでミケのお腹に飛び込みます。
もしもゴキブリが人間の大きさだったら、その速度はなんと新幹線と同じくらい!?
コップも持てない猫が、口を濡らさずに水を飲む意外なメカニズム。
ほどほど小さな「センチ」や「ミリ」の世界にも、秘密はたくさん!
ところが、ここでは終わりません。冒険の舞台はさらに小さく、ミクロを超えた超ミクロ! 100億分の1に縮んだみんなは、水の分子とご対面。そして分子の中へ、原子の中へ、さらにはその中、原子核へ。
「粒子でもあり、波でもある」、「 観察しているかいないかによって、実験の結果が変わる」など、 身の回りにあるものの、どんなものとも違う振る舞いをする量子の世界の現象に、まるで異世界をのぞいているような気分になってきます。それなのに、物の色が見えるメカニズムも量子力学だし、宇宙の形も量子力学だなんて! 遠い世界の話だと思っていた量子力学も、実は身近なたくさんのものと密接に関わっていると知って、なんとも神秘的な気持ちになりました。
どんなに大きな世界も、小さな世界からはじまって、小さな世界の集まりによって成り立っている! あたらしい時代を築く学問、量子力学の世界を本シリーズでのぞいてみてください。
(堀井拓馬 小説家)
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