“たねせんもんてん”とは、いろいろな植物の種を売るお店のこと。その“たねせんもんてん”にはダイズとアズキという兄弟がいました。おにいさんのダイズはお父さんに店番を頼まれます。
「たねのしゅるいは、ふくろに かいてあるから、まちがわないようにね」
ところが、おとうとのアズキが、ダイズがいない隙に種の袋でとっても楽しそうな遊びを思いついてしまったのです。しかも途中で「にいちゃんに見つかったら大変だ!」と、こわくなり袋を適当に戻して逃げてしまいました!
そうとはしらないダイズは、店に戻ってお客さんたちに種の袋を売るのですが、売りながらもなんだか棚の様子がおかしいことに気づき心配になっていきます。種を買ったお客さんたちも、育てているうちに「だんだか変だぞ?」と思うようになります。
さて、アズキのいたずらは、お客さんたちに何をもたらすのでしょうか?
“種まき”ってなんだかワクワクしますよね。いつ芽が出るのか、育ったらどうなるのか、時間がかかるだけに期待に胸がふくらみます。お客さんたちが一体どうなるのか、いつ怒られてしまうのか不安でたまらないダイズの姿を心配しつつも、思ってもみなかったみんなが幸せな結末に、読者も一緒にほっと胸をなでおろす、ハラハラドキドキ温かな物語です。
作者は、中国の小説家・児童文学作家の曹文軒さん。2016年には子どもの本の世界的に権威ある賞・国際アンデルセン賞を受賞されています。本作は、日中共同絵本プロジェクトという、中国の作家と日本の作家を結んで絵本を制作するシリーズの一冊。絵は、日本のイラストレーター・すずきみほさん。登場人物たちの服がちょっぴり中国風だったり、優しい物語と遊び心あふれる絵がとっても楽しい1冊です。
(徳永真紀 絵本編集者)
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思いも寄らないことから生まれた幸せとは?
たねせんもんてんには、ダイズとアズキというなかよし兄弟がいました。
ある日、ふたりは店で留守番をしていました。
おにいちゃんがいなくなったすきに
アズキはいいことを思いつきます。
いたずらっこのアズキはとってもうれしそう!
ダイズが店に戻ると、次々とお客さんがやってきて、たねを買っていきました。
さて、アズキは何をしたのでしょうか?
【編集担当からのおすすめ情報】
中国の作家と日本の作家を結んで絵本を制作する「日中共同絵本プロジェクト」の1冊。
国際アンデルセン賞受賞作家の曹文軒さんの文章にすずきみほさんが絵をつけました。
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