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宮沢賢治の童話は、様々な絵で絵本化されているが「銀河鉄道の夜」もその一つであり、図書館で調べると種類の多さと、利用の多さに驚いてしまった。
自分は、絵のない童話で文字だけの世界で読んだ記憶があるのだが、ことに「銀河鉄道の夜」はイメージの童話だと思った。それだけに多くの作家が自分のイメージを具体化したくなるのだと思う。
日本の童話だから、翻訳による違いはない。そうすると文字と、絵の世界がそれぞれの特性かと思う。
この本の第一の特色は、童話の文章も様々に表示が工夫されているところである。文章に絵が付いているのではなく、絵の表現に合わせて文章の配置が右ページであったり左ページだったり、ページに記載する量が考慮されていたり絵の中に文章を溶け込ませたり、文章だけの見開きには文章背景の色を変化させたり…。童話そのものが素材として扱われている。
第二の特徴は絵。絵というよりもアートの世界なのである。多分清川さんはこの本を絵本としてではなく、芸術表現として捉えているのではないか。ジョバンニの心象風景、宇宙のイメージ、どれもこれも描いたというよりもイメージ表現である。それだけに読んでいて、自分にもイメージが拡がる。
「銀河鉄道の夜」は読んだことがあるという人にもお薦めの本である。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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