おばさんの袋から落ちた赤い本。
みて、ほんだよ!
と、ふたりの子どもが見つけます。
だいじにね。ほこりだらけにならないように、いぬがかまないように、あめにぬれないように。
たったそれだけのシンプルな言葉から、
ファンタジックな場面がつぎつぎ展開します。
ここはどこ? どんな世界?
子どもたちは、トタン板(?)のボートで、空に浮かんだり・・・
ティーカップに入って水の中をぷかぷか・・・
ペットボトルで空中散歩。
本書の折り返しに
「本は私たちをどこまで連れてってくれるのだろう?」
とあるとおり、どこまでも!連れてってくれるような絵本です。
リビー・グリーソンのシンプルな文を訳したのは、詩人の谷川俊太郎さん。
鉛筆でスケッチしたようなタッチの画は、2010年にケイト・グリナーウェイ賞を受賞したフレヤ・ブラックウッド。
あれ? 絵本の中に出てくる「ほん」は、この絵本にそっくりじゃありませんか?
赤い表紙に、金色の文字が美しい。
一緒に読む大人も、きっと楽しめます。
そう、「なんども なんどでも」。
くりかえし開いて、そこに広がる世界を旅したくなるような、素敵な絵本ですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む