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岩崎書店 えほんができるまで 作家インタビュー

岩崎書店様

2017/06/29

【連載】『あっはっは』川之上英子さん、川之上健さんインタビュー

【連載】『あっはっは』川之上英子さん、川之上健さんインタビュー

●わが子の“保育園ぎらい”がきっかけで、絵本を作ることを決意
「やあやあ、みなさん。こんにちは」そう言っているかのように現れたのはこの方。
おおやまさん』に登場する、おおやまさん?

いえいえ、『おおやまさん』を描いた、川之上健さんです。

川之上英子さんと川之上健さんは、ご夫婦で絵本を作られている絵本作家さん。
絵本を作るようになったきっかけは、お子さんの“保育園ぎらい”だったそうです。

川之上英子:うちの子が、保育園に行くのをあまりにも嫌がるものだから、私は当時勤めていた職場を辞めて、子どもと家にいることにしました。子どもが絵本好きだったので、わが子のために絵本を作りはじめたのが、今につながっています。
川之上健:ある日、我が家に帰ると、妻が画材と紙を大量に買ってきていて、ひたすら紙に色をぬって、画材の性質を調べていたんです。最初はビックリしたのですが、そのうち、ぽつぽつと絵本を作っては子どもに見せるようになりました。
英子さんはその後、作品を絵本の賞などに応募し、賞を受賞していたそうです。
では、ご夫婦で絵本を作るようになったのはどうしてでしょうか?
英子:私は、絵の勉強をしてきたわけではなかったので、絵本の文章だけを書きたいと思っていたんです。でも、周りに絵を描いてくれる人がいなかったので、最初のうちは、切り絵で絵本を作っていました。おり紙や布を使うと、元からきれいに色や柄がついているので、自分が絵の具で塗るよりもうまくできたんです。しかし、それでは、描ける題材も偏ってしまいます。そんなとき、目に留まったのが夫でした。健さんが意外と絵がうまいことは以前から知っていたので、誘ってみたんです。
●ふたりで一人前の絵本作家? 制作方法もユニーク
そんな川之上ご夫妻さんの絵本作りは、とてもユニーク。まず英子さんがストーリーと大まかな絵の構図、人物を考えて下描きをします。

細かい背景や乗り物など、英子さんが苦手なパーツは健さんが描きます。

健さんが描いたパーツを英子さんがトレースして、1枚の絵に仕上げます。

おはなしを作るときも、2人で話し合っているのだとか……。
健:ぼくはほとんどガヤというか……。英子さんが「こういう話ってどう思う?」と聞いてきたときに、何か発するくらいですね。
英子:でも、健さんがポロッと言った一言で、おはなしのきっかけが生まれたこともたくさんあります。よく、お笑い芸人さんとかで、ネタは片方が考えるけれど、相方がいないと面白いネタが浮かばないという人がいるじゃないですか。私たちは、まさにそれ。2人そろってようやく一人前の絵本作家なんです。
インタビュー中も終始ニコニコと笑顔の絶えない川之上さん。おふたりの新作は、そんな楽しい雰囲気をぎゅっと詰め込んだような絵本『あっはっは』(岩崎書店)です。
英子:これは『ももも』(岩崎書店)と同じ時期に提案した『ほほほ』という作品がベースになっています。編集者さんから「子どもが“ほほほ”と笑うのは、あまりイメージできないのでは?」とアドバイスをいただき、新たに再考しました。結果、いろいろな笑い声が登場する、とても楽しい絵本になったと思います。

健:英子さんは、壁にぶつかっても、その壁を超えるウルトラCを探すタイプなんです。今回は、背景を描き込むバージョンや、「あっはっは」「いっひっひ」と、笑い声だけで展開するバージョンなど、構図を何パターンも出して、何度読んでも楽しく読めるのはどれか考えていました。
英子:最後の「うっほっほ」というのは、健さんのアイディア。それが突破口となって、ひとつの流れを作ることができました。
『あっはっは』の原画の制作方法もユニークなんです。

●「絵本に救われた」「絵本のおかげで子育ての居場所ができた」
今は絵本を作る側になった川之上ご夫妻ですが、子育ての中で絵本はとても大事なものだったそうです。英子さんにとって、絵本は「おむつやベビーカーと同じくらい」の必需品。絵本を子どもと楽しむ時間は、母としての自信をもらえる時間だったのだそう。
また「子育てはどうしてもママが中心になりがち」と当時を振り返る健さんにとっても、絵本は「読むと妻も子どもも喜んでくれる、パパとしての自分の居場所」を作ってくれるものだったそうです。

これからも楽しい絵本をたくさん作ってくれそうな、川之上さん。最後に、おふたりがこれから作っていきたい絵本について聞いてみました。
英子:絵本を手にした親御さんが、声に出して読んでみたいと思ってもらえる作品を作っていきたいと思います。
健:それと、お父さんが絵本の読み聞かせをしたくなるような作品も、ぜひもっと作っていきたいですね。

●川之上健さん、英子さんの絵本



※掲載されている情報は公開当時のものです。

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