しかけをめくると妖怪が登場!今大人気の本格子ども向け図鑑
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絵本紹介
2021.09.27
暑かった夏が過ぎ、日に日に涼しさが増してきて、いよいよ「秋」を実感する季節になりました。本格的な秋の訪れはこれからですが、一足先に絵本で「秋」を味わっちゃいましょう♪
どんぐり拾いにおいしい食べ物、澄んだお空は高く青く、木々の葉っぱが少しずつ黄色や赤にお化粧して、夜にはたくさんの虫たちが鳴く。遠くに行かずとも、「秋」がもたらす変化は、身近なところにも表れます。その「小さな秋」を、絵本と現実、両方の世界で楽しんでみてください。
出版社からの内容紹介
こんどの土曜日は、町の子どもたちの運動会。競技で優勝すればメダルをもらえるときいて、ジョージは大はりきりで練習に加わります。バレーボールやリレーなど、いろいろためしてみますが、ルールがあってむずかしい! ジョージにぴったりなスポーツはみつかるかな? 勝ち負けだけでないスポーツの楽しさをつたえます。
この書籍を作った人
ハンス・アウグスト・レイ(1898-1977)マーガレット・レイ(1906-1996)ハンスはドイツのハンブルクに生まれ、幼い頃から、絵を描くことと動物が大好きでした。マーガレットも同じ町の生まれ。ともにドイツ系ユダヤ人の家庭で、家族同士の交流もありました。ハンスは第一次大戦中、ドイツ軍の兵士として従軍。戦後は大学で哲学や医学、外国語を学びますが、1924年、深刻な経済不況のためブラジルのリオデジャネイロに渡り、親戚の会社で働きはじめます。 マーガレットは美術学校を卒業後、写真家になりますが、ヒトラーが政権を握ると、ドイツを去ってブラジルへ渡り、1935年にハンスと再会します。ふたりは広告代理店をはじめ、まもなく結婚。新婚旅行先のヨーロッパでパリが気に入り、そのまま住み着きます。そして、ある雑誌の載ったハンスのユーモラスなキリンの絵がきっかけで、最初の絵本『きりんのセシリーと9ひきのさるたち』が誕生します。ふたりは、そのなかに登場する知りたがりやのこざるを主人公にしたお話を作りはじめます。第二次世界大戦がはじまり、1940年6月、ついにナチス・ドイツ軍がフランスに侵攻してきたとき、ふたりはその絵本の原稿とわずかな荷物だけを持ってパリを脱出、4か月かけてアメリカのニューヨークへたどり着きます。おさるのジョージの最初の絵本が出版されたのはその翌年でした。以来、ハンスとマーガレットは共同で、ジョージやその他の楽しい絵本をつぎつぎと生みだしました。
出版社からの内容紹介
絵本「スモールさん」シリーズで幼い子どもたちの心をとらえたアメリカの絵本作家レンスキー。秋のたのししみを描いた季節の絵本。
みどころ
芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋。どれも大好きな秋だけど、やっぱり・・・遊びの秋!
真っ青な高い青空、涼やかな風、落ち葉にどんぐり、松ぼっくり。秋の野山はあそびの宝箱、「あそびずかん」を持って出かけなくちゃ。
教えてくれるのは、子どものあそびの達人かこさとしさん!
秋の訪れを教えてくれるヒガンバナ。真っ赤にはじけたような個性的な花を首飾りに、髪飾りに…女の子はうっとりしちゃうね。いえいえ、男の子だって!提灯、聴診器(?!)、赤い蝋燭にだって変身しちゃうんだから。
イチョウにポプラ、ツタ、ナナカマド、コナラにトチノキ。木になっているときには気づかなかった葉っぱは、形がいろいろ、黄色に紅にと色もとりどり。金魚にミミズク、ゾウ、落ち葉で絵をつくると楽しいね。イチョウの葉っぱは、吹き矢遊びもできるんだよ。
静かに耳を澄ましてみて。聴こえてくるのは虫の鳴き声。リーンリーンとスズムシ、コロコロリーはエンマコオロギ。じゃあ「チリチリ、チチチ」は誰の声?いろんな虫が集まってきて、虫の音楽会の始まりだ!
実は秋の遊びには、ちょっと自信があったんです。落ち葉やどんぐり拾い、小さな頃から大好きで今でも時間を忘れて夢中になっちゃう。
でも甘かった!このかこさんの引き出しの数といったら…比べっこにこま、やじろべえ。どんぐりだけでも、こんなに遊びが広がるなんて、知らなかったらもったいない!
触ったり、作ったり、投げたり飛ばしたり。遊ぶことで、植物、生き物、自然のいろんな顔を知ることができるんですね。
実りの秋は遊ぶこと楽しむことも、どんどんと深まっていくみたい。
この一冊に、えんぴつ一本、紙一枚、ちょっとのアイデアがあればできちゃう室内あそびも、たくさんいろいろ載っています。
そよそよ吹く風に揺られてかたちを変える秋の雲、明日のお天気を予想して。
十五夜お月さまや澄んだ夜空に輝く星たちを眺めがら、家族みんなでゆっくりおはなし。
冬に向けてゆっくりと変化していく時間を味わう楽しさも、秋の醍醐味ですよね。
さぁ私は、保育園でたくさんのどんぐりを拾ってきた娘と、木の実の動物園、作ってみようかな!
この書籍を作った人
加古里子1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
みどころ
うさぎさんが作っているのは、小さな椅子。しっぽもつけて完成です。
「さて、どこに置こうかな」
うさぎさんは、野原の木の下に、「どうぞのいす」と書いた立て札と一緒に置いていきます。うさぎさんのひらめいた「いい考え」とは、どんなことだったのでしょうね。やがて、動物たちが通り過ぎるたびに、色々な出来事が起こるのです。
最初に通りかかったろばさんは、「どうぞのいす」を見ると、なんて親切な椅子だろう、せっかくだから……と、自分は木の下にすわりこみ、持っていたかごを椅子の上に置いたまま、お昼寝をしてしまいます。
次に通りかかったのは、くまさん。椅子の上にはかごいっぱいのどんぐり。隣に書いてあるのは「どうぞのいす」。そこでくまさんは「どうぞならば」と食べてしまいます。だけど思うのです。
「からっぽにしてしまっては、あとの人におきのどく」
そこでくまさんがとった行動とは…? さらにきつねさん、りすさんが通りかかり、それぞれが「どうぞ」の言葉に反応し、考えて、行動し、それはやがてユニークな結末へとつながっていきます。
愛らしい動物たちが次々に登場し、ページをめくるたびに、食べ物がテンポ良くとりかえっこされていく様子は、何度読んでも愉快です。面白いのは、本人たち同士が誰も直接会っていないということ。つながっているのは「どうぞのいす」の言葉のみ。子どもたちは、目の前で繰り返されるその様子を見ながら、どんなことを考えるのでしょうね。
柿本幸造さんの描く、どこまでも温かく優しい絵と共に、きっと長く心に残る絵本となることでしょう。年齢を経ても、繰り返し読んであげてくださいね。
この書籍を作った人
1928年東京生まれ。『あり子の記』(理論社刊)で日本児童文学者協会賞受賞。「げんこつ山のたぬきさん(ゴールデンディスク賞受賞)」等の童謡詩人でもある。主な絵本作品に、『どうぞのいす』『ごろりんごろんころろろろ』『ヒッコリーのきのみ』(ひさかたチャイルド刊)、『こんたくんのえーとえーと』(金の星社刊)、『おつきさまのとおるみち』(教育画劇)他多数。
この書籍を作った人
1915年広島県生まれ。「どんくまさんシリーズ」(至光社刊)、「おかえりくまくん」(佼成出版社刊)、「ごろりんごろんごろろろろ」(ひさかたチャイルド刊)などの作品がある。小学館絵画賞受賞。
ベストレビュー
書店で新刊として店頭に並んでいたので手に取りました。
前作の「どうぶつたちのがっこうって?」は持っていて息子のお気に入りの絵本だったのでこちらも購入しました。とっても秋を感じれる絵本です!
そしてこちらも同じく、問いかけながら読み進めていく絵本ですね。
最初はこの問いかけの連続に違和感があったんですが、慣れてくるとリズム感があってこの調子が何だかとっても良いです。
最後のページ締めくくりの一文に向けて、うたうようにさらっと読み聞かせしています☆
(なりおママさん)
この書籍を作った人
アメリカのイラストレーター。主に幼い子ども向けの絵本の絵を描く。作品に、『おすわりくまちゃん』『おやすみくまちゃん』『おふろのくまちゃん』『だいすきぎゅっぎゅっ』(いずれも岩崎書店)などがある。ノースカロライナ州在住。
この書籍を作った人
公共図書館勤務を経て、現在は児童書の研究、翻訳をしている。訳書に、『としょかんライオン』(岩崎書店)、『ないしょのおともだち』(ほるぷ出版)、『いっしょにおつかい』(岩波書店)、『いもうとガイドブック』(少年写真新聞社)、「ちいさなエリオット」シリーズ(マイクロマガジン社)など、多数。
出版社からの内容紹介
少年ラッセが庭で出会った、不思議な男の子の名前は「九月」。二人は一緒に庭をめぐり、花や野菜の精、やさしいりんご夫人たちと出会います。実りの秋の豊かな喜びを、美しい色彩で描き、何世代にもわたり愛されてきたスウェーデンの古典作品が、装いも新たに甦りました。
レビュー
娘といっしょに読んだ4冊目のベスコフの絵本です。今までに読んだものと比べて、絵がちょっぴり大人っぽく、娘も「わあ、きれい!」と感激しながら、表紙をそっとなでていました。
お話も、花や果物、それに妖精が大好きな娘の好みにぴったり! ベスコフのお話には、妖精や小人が、まるで当たり前のように、自然の命と共に、そこに存在していて、ふわっと物語の中に現れるのが、本当にすてきですね。「まるすぐりのおんなのこ」や「あかすぐりのおじょうさん」、「りんごふじん」に「プラムのむすめさんたち」、花の精たちも、それぞれがとっても愛らしく、うっとりと見入ってしまうほどです。
そして、もう1つの“うっとり”は・・・娘が歌ってくれる歌!!「りんごのうた」「いちごのこもりうた」「あきのうた」・・・どれも絵と同じくらい美しい詩です。
♪まもなく やわらかな ゆきが あたりいちめん ふりおりて・・・やがて しろい ふゆの おとずれ おだやかな やすらぎの とき・・・♪
と、オペラ歌手のようなソプラノで(!)本当に気持ちよさそうに歌う娘の横顔を見つめがなら、詩の世界と娘の幼い声の、何ともいえないアンバランスな感じが愛しくて、うっとり聞き入ってしまう母でした! でも、こうして、すらすらと詩を読みながら、メロディーをつけて歌えるようになったんだなあと、娘の成長がうれしくて、ほろっときてしまったりもします。
娘のお気に入りは、花の精たちが一列に並んで、にこっと微笑んでいるページ。我が家の庭でも、ちょうどナスタチウム(きんれんか)が花盛り。庭の花を眺めながら、「あの中にも、もしかしたら、黄色やオレンジのかわいらしい花の帽子をかぶった妖精たちがいるかもしれない」と思えてきます。
最後は、ベスコフらしい終わり方で、さらにストーリーを広げてくれますが、娘は、「Endが悲しかった。なんでみんな消えちゃったの?」と、子どもらしい率直な気持ちを聞かせてくれました。けれども、数分もすると、にこっとして、「Jも妖精になりたいな。」と、娘。「どんな妖精?」と尋ねると、「青いプラムの妖精! あんなプラムのイヤリングしてみたい。」と、すっかりその気になっていました。(ガーリャさん)
この書籍を作った人
1874-1953年。スウェーデンの児童文学作家・絵本作家。工芸学校卒業後、小学校の美術の教師として働き、1897年に『ちいさな ちいさな おばあちゃん』(偕成社)で、絵本作家デビュー。6人の子どもを育てながら30作をこえる作品を発表。1952年に、ニルス・ホルゲルッソン賞を受賞。主な作品に、『ペレのあたらしいふく』、『もりのこびとたち』、『おもちゃ屋へいったトムテ』(すべて福音館書店)、『ラッセのにわで』(徳間書店)など。
みどころ
きょうも、みんながやってきます。
『モナ・リザ』をみるために、
そうわたしをみるために、
世界中からたくさんの人がやってきます。
しーっ! ガイドさんの説明がはじまりますよ。
こんな書き出しからはじまる絵本。語り手は・・・何を隠そう、この絵本の主役!なんとルーヴル美術館に所蔵されている名画『モナ・リザ』自身なんです。こんなユニークな絵本が今までにあったでしょうか。だって、絵画自身が打ち明け話をしてくれるのですから。
これまでヴェール包まれていた謎や秘密、知られざる歴史が本人の口から語られるのです。『モナ・リザ』がどのように描かれて、なぜ、ルーヴル美術館に所蔵されるようになったのかそして、ある人物によって盗み出されたのか・・・。
まるで映画のようにドラマチックなその展開に、やはり人生に一度は、『モナ・リザ』に対面したい!と思ってしまいます。なぜこんなに詳しい裏話が絵本になったかというと、アメリカのボストン美術館でギャラリーツアーの講師をつとめているルーシー・ナップさんが作者だからです。彼女は、パリで暮していた時期に、『モナ・リザ』をかこむ観衆の多さに衝撃をうけたそう。なんと、ルーヴル美術館の入場者数の8割が『モナ・リザ』目当てなのです。
なぜ今日に至るまでそんなにも人々を魅了するのか、その秘密を紐解く絵本がここにあります。
出版社からの内容紹介
たったひとつのドングリから、木が育つ。その木にトリが巣をつくり、花の種が落ち、実がなり、動物たちがやってくる……アメリカのカンバーランド高原の森を舞台に、シンプルな言葉で命のつながりを描く絵本。ひとつのドングリから森が広がるようすを驚きとともに紹介します。
レビュー
庭に落としたギンナンやドングリから芽が出てくるのを見ると、その生命力の偉大さに驚かされます。
それがか細い枝を伸ばし、小さな葉を着けたりすると、感動してしまいます。
それが森で、幾年もの間に森や生き物の生態を支えているのだと考えさせられました。
さりげなく身の回りから出発して、果てない環境の話に展開している素晴らしい絵本です。(ヒラP21さん)
出版社からの内容紹介
日本一小さなドングリから世界一大きなドングリまで、各地で集めたドングリを一挙公開!きみの拾ったドングリと同じのはあるかな?
みどころ
その、最初のページ。
朝もやに浮かびあがる雄大な山の景色を目にした途端。
ひんやりした地面の空気を感じた瞬間。
物語を読む前から感覚的にそれは伝わってくるのです。
彼らは山に見守られている、ということ。
早起きの鳥は空へ飛び立ち、シロイワヤギがひづめの音を響かせ、小さなナキウサギが目を覚まし。つゆに濡れた草をそよがせて歩くのはヘラジカの親子。朝ごはんを探しているのです。
昼になれば、木洩れ日のさしこむ枝のあちこちで鳥たちがさえずり、クズリが獲物をもとめてうろつき、シカは立ち止まり。
やがて日が沈むころ、真っ赤に染まる山を背景に、忙しく動き回るのはビーバーやハイイログマ。寝床へもどっていくものがあれば、目を覚ます動物たちもいる。夜は夜で、また一日の世界がはじまっていき……。
刻一刻と変化していく陽の光、さらに夜になれば月の光に照らされる自然の風景が。毎日繰り返されているであろう、それぞれの動物たちのそれぞれのいとなみが。こんなにも美しく、こんなにも尊いものに見えてくるなんて! 揺さぶられるほどの感動を味いながら、最後に語るその言葉が静かに心に突き刺さってきます。
「夜が朝になるように、世界もかわっていく。
永遠に続くこともあれば、進化するものもある。
かわらないのは、生きること。」
山は、知っているのです。
消えいく命のことも、生まれ来る命のことも。
そして、見守られている私たちが考えるのは、これからの地球について。
リチャード・ジョーンズが描く美しい自然や愛らしい動物たちを素直にたっぷり堪能しながら、しっかりと感じたことを心に留めていこうと思うのです。