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「すこやかな心をはぐくむ絵本」シリーズ完結記念 絵本作家インタビュー【くすのきしげのりさんと12名の絵本作家たち】

廣済堂あかつき

2016/10/20

【連載】第10回 『たからもの みつけた!』の重森千佳さん

【連載】第10回 『たからもの みつけた!』の重森千佳さん

秋の季節にぴったりな絵本『たからもの みつけた!』は、リスの男の子が森の中で大切な物をさがすお話です。
作者のくすのきしげのりさんがインタビュアーになって、絵を描かれた重森千佳さんに子どもの頃のこと、秋の思い出など、お話をうかがいました!
■ 重森さんの「宝物」とは? 絵本にまつわるエピソード
くすのき: 『たからもの みつけた!』では、リスくんは探していた木の実よりも、もっとすてきな、親身になって助け合うことができる友だちという宝物を見つけることができました。重森さんにとっての大切な「宝物」はなんですか。
重森: 大切な「物」はたくさんありますが、リスくんと同じで家族や友だちでしょうか。
会えない時でも、いつも支えられています。

くすのき: ほんとうにそうですね。ぼくのたからものもやはり家族や友人たちです。
この絵本の中にはたくさんの動物たちが出てきますが、一番描くのが難しかった動物はなんですか。また、この本の中で、重森さん、おすすめの場面、お気に入りの絵があったら教えてください。
重森: できるだけ本物の動物たちに近づけたくて、どの子も毛の色で苦労しました。
みんな自然の中で風景になじむ毛色なので難しかったです。 お気に入りの絵はいくつかあるのですが、トビラ(タイトルの書かれているページ)の絵でしょうか。
「お父さんを喜ばせたい」という一心で、木の実を探しにいくリスくん。
まっすぐ前を見て歩く姿に、リスくんの気持ちが表れていると良いのですが……。
どこかにリスくんが!本を手に取って、よーく探してみてください!
くすのき: わかります。リスくんの気持ちはほんとうにいじらしいですね。
この絵本では秋の森の様子が存分に描かれていますが、重森さんのこどものころの秋の思い出やエピソードがあったら教えてください。
重森: 子どもの頃の記憶があまりないのですが……秋といえば、机の引き出しにどんぐりが入っていました。
ときどき、眺めたり、磨いたりして、かわいがっていました。
どこかで拾ったのでしょうが、その記憶はなくて、家で大切にしていたことだけ、ぼんやり覚えています。
くすのき: どんぐりをかわいがる、すてきなことばですね。小さな頃の重森さんのようすが目に浮かぶようです。

■ 絵本制作のアイデアやチャレンジしたいこと
くすのき: 絵本のアイデアが生まれるのは、どんなところからですか? いつ、どんなときでしょう?
重森: くすのきさんのお話のアイデアは、どんなところから生まれるのですか?
わたしのほうこそ、反対にお聞きしたいくらいです。
絵のアイデアは、毎日のちょっとしたことから……だと思います。
きれいな夕焼けを見て、どう描けばこうなるのかな、とか、 明るい部屋では白く見える壁が、部屋が暗くなると何色に見えるか……とか、 自分が見ている物がものすごく気になる時があるんです。
その「気になる」の積み重ねなのかもしれません。 と、いっても、ほとんどボーッと暮らしているんですが。
くすのき: なるほど、画家の視点ですね。
同じようにわたしも作家として、たとえばこの夕焼けを言葉で表現するならどう書くだろうかと、考えます。それは正確な描写だったり、見えない物の表現であったりします。
そうした物の見方や捉え方をしている中で、アイデアがうかびます。
これから、主人公に描いてみたいもの(人)はありますか? その理由も教えてください。
重森: 人見知りで無愛想な子ども。
自分がそうだったので、「ほんとはね、こんなふうに思ってるの」という気持ちを知ってほしいのかもしれません。
くすのき: そういう気持ち、子どもなら誰でも持っているものですね。無愛想だけど、そこにある怒った気持ち、うれしい気持ち、かなしい気持ちなどをぜひ描いてください。
これから挑戦したいことはありますか? お仕事でも、それ以外でも。
重森: 頭に浮かんだイメージをそのまま同じように白い紙の上に再現できるようになりたいです。
あと、おばあちゃんになっても絵本を描いていたいです。
くすのき: ぼくもずっとずっと子どもの心に共感を呼ぶ、みずみずしい作品を書いていたいです。
重森さん、お話ありがとうございました!
───最後に重森千佳さんのひみつを手書きコメントで大公開!


重森千佳(しげもりちか)
京都府生まれ。西安造形短期大学卒業。インターナショナルアカデミーえほん教室にて絵本制作を学ぶ。細やかなあたたかみのある水彩画で人気。デビュー作『おおかみだってきをつけて』(フレーベル館)で注目される。ほかに『まんなかのはらのおべんとうや』『まんなかのはらのおべんとうや そらのこのおはなし』(やすいすえこ作 フレーベル館)などがある。







くすのきしげのり
1961年徳島県生まれ。鳴門市在住。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などを経て、現在は、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を続けている。絵本『おこだでませんように』(小学館)が、2009年に全国青少年読書感想文コンクール課題図書に、2011年にはIBBY(国際児童図書評議会)障害児図書資料センターが発行する推薦本リストに選出される。同作品で第2回JBBY賞バリアフリー部門受賞。また、『ふくびき』(小学館)、『ともだちやもんな,ぼくら』(えほんの杜)と共に第3回ようちえん絵本大賞を受賞する。その他の絵本に『もぐらのサンディ』シリーズ@〜C(岩崎書店)、『あたたかい木』(佼成出版社)、『えんまのはいしゃ』(偕成社)、『みずいろのマフラー』(童心社)、『ええところ』(学研)、『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)など多くの作品がある。


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