コペンハーゲンにある、おおきなマンション。
そこに、ラウラ、ラッセという名前の姉弟が引っ越してきました。
見るものなんてなにもない、退屈なばかりの場所にきてしまったと嘆くラッセ。
そんな弟を慰める姉のラウラですが……
気づくと、ラッセが姿を消してしまいました!
弟の後を追って、町をさまようラウラ。
そこで出会うのは、ラウラと同じマンションに住む子供たち、奇妙なおとなたち、そして、たくさんのネコたち。
彼らにいざなわれて町をゆくラウラを待っていたのは、奇想天外な大冒険でした!
デンマークにおいて広く親しまれ、だれもがその絵を目にしたことがあるという画家、イブ・スパング・オルセン。
国際アンデルセン賞受賞作家であり、『つきのぼうや』(福音館書店)など、日本においてもコアなファンの多い絵本作家です。
そんなオルセンの絵本『ネコ横丁』(文化出版局 )を、新訳で復刊したのが本作『ネコの住むまち』!
あらたなイラストも追加されて、ラウラの冒険の舞台がさらに広がりました。
奇妙なベッドを売っている家具屋さんや、壁や天井を歩くための靴を売っている靴屋さんが、軒を連ねる通り。
おんぼろ小屋のドアをあければ、カウボーイがゆきかう草原あり、絨毯の中に飛びこめば、そこにはアフリカのジャングルが!
元海賊のおじいさんに招かれて扉を抜けると、なんとそこは大型船の甲板の上! まわりには、大海原が広がっています。
いったいなにがどうなってるの!?
魔法にでもかけられたような町のようすに、混乱するラウラ。
でも、子どもの空想が現実になったようなこの町では、退屈なんてしているヒマなんてなさそう。
なにはともあれ弟を捕まえなくちゃ!
さあ、ラウラといっしょに猫を抱き、不思議な町の冒険へ!
(堀井拓馬 小説家)
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