お歌をうたうのが大好きなこぐまのアーリーは、ある日森の中で赤くてまるいものを見つけます。
これはいったいなんだろう?
何かを入れるためのものかな?
ぼうしを見たことがないアーリーは、おうちに持って帰って似た形のものを探します。
じょうろ、たらい、バケツ、つぼ、ひしゃく、おさら、かご……。
いれものはたくさんあるけれど、同じような入れものはありません。
赤くてまあるいもの、見つけた!
外を見たアーリーはおかあさんに教えてあげます。
赤くてまるくてきれいな夕日。
でも、遠くて手が届きません。
拾ってきたものは、やっぱりなんだかわからない。
まねっこしてみようかな?
床にまるまって、一生懸命ぼうしの形をまねしてみますが、やっぱり謎はとけません。
これは「ぼうし」というものだとお父さんから教えてもらったアーリーは、これが誰かのおとしものなのだと気づきます。
そして、アーリーはお父さんと一緒にぼうしをもとの場所まで返しにいくのです……。
はじめて見たもの、知ったものを、どうやって覚えていくのか。
はじめての「なんだろう?」にどうやって答えを見つけていくのか。
自分で答えを見つけようと試行錯誤するこぐまのアーリーと、そんなアーリーを優しく見守り、気持ちに寄り添うお父さんとお母さんの姿が、大切なことを教えてくれます。
森の中の木を揺らす風や、くまの毛の柔らかさが伝わってくるような、ぬくもりに満ちた絵もとても魅力的。家族で読みたい1冊です。
(絵本ナビ編集部)
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