文字と言葉をテーマにした、見たことのない絵本ができました!
“ひらがなあそび”シリーズの誕生です。
ひらがなの「あ」はひとりぼっちでさびしそう。
そこへ遠くから「お」がやってきて、くっついたら……
「あおぞらだー!」
ぱぁっと広がる青い空。
こんどは友だちがいなくてたいくつな「あ」のところに、
「か」が遊びに来たら……
「まっかっか」なりんご、
「あか」になったよ!
どこかへ行きたい「あ」に、おっとっとと「し」が来たら?
ちょっといじわるな「あ」は、どこかから「な」を引っぱってきたよ。
何をするのかな?
「あ」にもう一文字くっつくだけで、あたらしい世界が広がるふしぎ。
谷川俊太郎さんもさすがに2文字で絵本の文を組み立てたのは、はじめてだとか。
「あ」にくっついて登場する子は、ひらがなの小さなおともだち“かなちゃん”と言うのですって。
妖精のような“かなちゃん”が、自由自在に文字にくっついたりぶら下がったりする姿が愛らしく、つい目で追ってしまいます。
まだ文字が読めないわが家の4歳といっしょに読んでみると、最初はけげんな顔でしたが、「あ」と「お」がくっついて「あお」になると、びっくりしたように息を飲んで絵をじーっと見つめていました。
世の中には文字があるみたいだけど、それってなんだかまだわからないなあ、という幼児にぴったり。
文字と出会う、楽しさいっぱいの絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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