「和食のだしは海のめぐみ」シリーズ第2弾!
第1弾の「昆布」につづき、作者は水中カメラマンの阿部秀樹さんです。
南は沖縄から、北は東北地方まで、日本各地の海を疾走するカツオ。
あのカツオがどうやって“世界でいちばんかたい食品”と言われる鰹節になるのか不思議に思った作者が、4年にわたり取材した写真絵本です。
(本書では、生物そしての「カツオ」と鰹節製品としての「鰹」、だしとしての「かつお」で、表記を使いわけています)
一説によると一生で100万キロも泳ぐと言われるほどのカツオ。
海中のキラキラした姿、水あげされる漁港や魚市場でのカツオから、工場で鰹節になるまで……。
その工程がくわしくわかりやすく写真で掲載されています!
個人的に興味深かったのは「鰹節のいろいろ」。
部位や製造段階によっていろんな種類があるのですね。
「けずり節のいろいろ」や「かつおだしをとってみよう!」「カツオ料理」は買い物や料理にも役立ちそう。
本書を参考に、“夏休みの自由研究”として、おいしい鰹節を研究してみるのも、おもしろいかも!
2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された「和食;日本の伝統的な食文化」。
本書は、その基礎となる「だし」を追っていくシリーズの2冊目です。
見過ごしがちな私たちの食の足元を見直し、そのおもしろさを再評価、未来への課題を提示する、学びの多いシリーズ。
1冊目の『昆布』とともにぜひ手にとってみてください!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む
2013年、ユネスコ(UNESCO=国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された「和食:日本人の伝統的食文化」。その和食の味つけの基礎となり、素材のおいしさをそこなわずに料理にまとめるのが、「だし」の役割です。
だしといえば、まず「昆布」「鰹節」「煮干」の3つが思いうかびますが、昆布は海藻のコンブ、鰹節は魚のカツオ、煮干は魚のイワシと、どれも、もともとは海の生きものを加工してつくるものです。その意味で「和食のだしは海のめぐみ」だといえるでしょう。
第2巻『鰹節』では、カツオがどんな魚で、どう獲るのか、鰹節はどうつくるのか、最新の鰹節工場、鰹節の歴史、鰹節のいろいろ、けずり節のいろいろ、鰹だしのとり方、カツオ料理、海のカツオに迫る危機などを、美しく豊富な写真を使って、わかりやすく紹介します。
続きを読む