奇想天外な旅の物語。途中で船に乗りおくれた男が迷い込んだのはふしぎな島。アリよりも小さなおばあさんに出会ったかと思うと、今度は自分が米粒みたいに感じるほど大きな男に出会って・・・!? 古典落語「島めぐり」より出来上がったこの絵本。著者は絵本やおやこ寄席など子どもを対象にした活動も積極的にされている落語家桂文我さん&大胆自由で個性的絵本作家スズキコージさん。お二人の手にかかったら、あっという間に異国情緒たっぷりの大冒険活劇物語の出来上がり!声に出して読むのが楽しいリズム感溢れる文章にのって、どんどん展開されていく予想外の場面。主人公の男が大きく見えたり、小さく見えたり。不思議な景色があるかと思えば、よく見る食べ物が登場したり。その楽しさは「落語の世界ってこんなに自由奔放なの?」って疑問が出てくるくらい。誰かと一緒に読んで、読む人をお互いに交代してみても面白そうですね。全然違う雰囲気になったりして。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
旅のとちゅうで船にのりおくれ、ふしぎな島に迷い込んだある男。アリよりちいさなおばあさんや、見上げるほどの大男に出会い、大あわて。果たして男の運命は...!? 知る人ぞ知る古典落語が、痛快タッグでよみがえる!
こちらで紹介されていて「読んでみたい!」と思っていたところ図書館で偶然発見し、早速借りてみました。もともと落語は好きなほうでしたが、このお話は初めて。本当に『ガリバー旅行記』のようですね。
テンポのいい文章なので、読み聞かせている私もどんどんノッてきて大声に。お父さんから「うるさいよ!」と注意されてしまいました…が、本当に”口気持ちいい!”んです。読み聞かせの快感を、存分に味わうことができますよ。
最後に「巨人からどうやって逃げるんだろう?」と思っていたところ、予想外の展開に大笑い。最後の1ページが落ち(落語では”下げ”というんでしたっけ?)なのですが、大人からしたらちょとヤボな構成のような気が。でも子供には「これがおもしろいところなんだ」というのが印象づけられるようで、「ふふふ!」としっかりウケていました。「なるほどなぁ」という感じです。
スズキコージさんの絵はお話にハマりすぎるほどハマっていて、どっぷり本の世界に浸れました。シリーズ化してほしいくらいです。 (ジョセフィーンさん 40代・ママ 女の子4歳)
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