「あと10ぷんでねるじかーん!」
これは、リビングにいるパパの声。
さあ、したくをしなきゃ。
だけど…ぼくの部屋ではなんだか大変なことが起き始めた!?
やってきたのは、ハムスターの大家族。
くつろいだり、おもちゃで遊んだり、それはもう大はしゃぎ。
おきがえ、はみがき、寝る前の読書、やることは沢山あるのに。
「あと5ふんでねるじかーん」
すると、さらにハムスターたちが大勢やってきて…。
『おやすみ、ゴリラくん』『いじわるブッチー』なども大人気、ペギー・ラスマンのおやすみ絵本は、ドキドキでハチャメチャ。ゆっくり寝るどころではありません。ストーリーはおやすみ時間までのカウントダウンのみ。ところが絵本の中では、静かになるどころか、どんどんにぎやかになり、いつの間にか部屋の中はぎゅうぎゅうなんですから。ああ、寝るまであと1分しかない〜!!
ベッドに入って寝るまでの10分。これは長いのでしょうか、短いのでしょうか。確かにやるべきことを行って、まっすぐにベッドに入り、静かに電気を消せば充分間にあう時間です。こんな大騒ぎをしてたら10分なんて全然足りないはず。だけど…本当にそうでしょうか? 絵本の中のぼくは、ちゃーんと眠りに入っているんです。子どもってそういうものなのかもしれませんよね。
おやすみ前に読むのか、昼間に読むのか。それは子どもたちの自由です。でも、どのページにもたくさんの遊びとストーリーが隠れているので、その辺りは覚悟の上で、ね。…あ、こんなところに『おやすみ、ゴリラくん』のおじさんの家が!?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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