「ぼくも しょうがっこうに いきたいな」
人間の子どもたちの様子を見て、小学校に行きたくなったこぎつね。呪文でいちねんせいに化けて学校へ行ってみることに。出発前にきつねのパパがお守りとして、くびかざりのようなものを首にかけてくれました。
校門で会った男の人は、いちねんせいから「せんせい」と呼ばれています。こぎつねが「せんせいってなんですか?」とたずねると、「せんせいっていうのはわからないことをおしえるひとだよ」と教えてくれました。その先生に連れられて転校生としていちねんせいの仲間入りができたこぎつね。さっそく授業がはじまります。はじめは「こくご」に「さんすう」。途中で先生に当てられたこぎつねは、うまく答えられるでしょうか? つづく「おんがく」「ずこう」では、楽器に化けたり、家族の絵できつねを書いてしまったり、「きゅうしょく」の時には「あぶらあげ」が出た嬉しさにとうとうしっぽが!?
こぎつねの初めての小学校体験は、あやうくきつねだとバレてしまいそうな危ない場面もあってハラハラドキドキ。でも先生がさりげなくフォローしてくれているような感じがするのはなぜなのでしょう。その理由が明かされる場面は読んでのお楽しみなのですが、きつねのパパからもらったお守りになにか秘密があるようですよ。
「おばけとしょかん」シリーズや、「ルドルフ」シリーズ、「白狐魔記」シリーズなど、小学生に大人気の児童文学作家、斉藤洋さんによるユーモラスながらも心に残るお話。小学校での体験のひとつひとつにドキドキするこぎつねと一緒に、小学校の一日を楽しんでみませんか。お話に夢中になっているうちに、まだ小学校のことをよく知らない子どもたちが自然に小学校を知り、親しめるのが嬉しいところ。もうすぐ小学生になるお子さんや新一年生に。字が大きくて全部ひらがなで書かれているので、ひとりで読める子もいるかもしれませんが、はじめはぜひ親御さんの声で読んであげてくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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