クリスマスの夕暮れ。ハリネズミの家族が雪のロンドンを歩いていきます。
きらきらとあかりが灯る通りのお店は、華やかでうっとりするほどステキ。
「きょうは、おくさんのためにすてきなプレゼントを手に入れるぞ。」ハリネズミさんは意気込むのです。
でも。
おくさんは、毛皮のコートはもう持っているし。ダイヤモンドのかんむりは重すぎて頭がいたくっちゃうだろうし。
森のシダとサンザシのにおいが好きなハリネズミは、香水なんてご無用だし…一体なにを選んだらいいんだろう?
その時、見つけました。道の片隅の真っ白い雪の上に、つやつやで真っ赤なかわいらしいもの。
ハリネズミさんはおくさんに差し出すのです…「メリークリスマス!」。
アメリカの絵本作家リチャード・スキャリーの「スキャリーおじさん」シリーズ。
「どうぶつたちのメリークリスマス」には、クリスマスにまつわるお話や詩が18作品も詰まっています。
冒頭でご紹介したのは「ハリネズミさんのクリスマスプレゼント」。ほかにも「さむがりやのリス」「ヤギのサンタクロース」「ソリをひきたくなかったトナカイのはなし」「クリスマスプレゼントになりたかったこいぬ」…おもしろそうなタイトルばかりでしょう?
ご期待通り、クスッと笑みがこぼれたり、ほっこりしたり、じわぁっと胸に沁みたりと優しく温かいお話ばかり。お子さんと一緒に、クリスマスを待ちわびながら一日一話ずつ読み味わうのもすてきですね。
そしてたまらないのが、スキャリーの描く動物たちの愛らしさ。このイラストを目にしただけでも、胸いっぱいになってしまいます。
リアルでつぶらな瞳、愛嬌のある表情。クラシカルなタッチと色彩は、クリスマス気分にぴったりハマります。
読んで癒されて、見て癒されて。
じっくり時間をかけてたっぷり味わえる、贅沢なクリスマスの一冊になりそうです。
お子さんはもちろん、かわいいもの好きな女子へのプレゼントにおすすめしちゃいます。
さぁ、可愛い動物たちと、温かいクリスマスをお過ごしくださいね。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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