「ひさかたチャイルド30年の歩み」
嶋崎社長へのインタビューです。
2010年4月に創立30周年をむかえる「ひさかたチャイルド」とは、どの様に誕生し、その30年の道を歩まれてきたのでしょう。ひさかたチャイルド・嶋崎社長にインタビューいたしました。
Q.始めに伺いたいのですが、ひさかたチャイルドというと、ちょっと、古めかしい(笑)というか、ユニークな社名のように感じますが、そのルーツは?
嶋崎社長(以下嶋崎、敬称略):よく皆さんからそう言われます(笑)。実は「ひさかた」はわたしたちの会社が現在もある文京区小石川の一部が「久堅」町でそれを使ったという大変単純なもの(笑い)です。しかし、平仮名で表記すると、なんだか奥ゆかしく感じて、いいと思いませんか?
Q.そう思います(笑)。「ひさかた」は分かりましたが、チャイルドというのは創立時から子どもの本を目指していたからですか?
嶋崎:はい、よく聞いていただきました(笑)。そのチャイルドがまさしくわたしたちのルーツなのです。ひさかたチャイルドは、月刊絵本チャイルドブックの発行などで知られるチャイルド本社の書店販売部門として、昭和56年に生まれました。その「チャイルド」に、「ひさかた」を冠したのが「ひさかたチャイルド」というわけです。
Q.チャイルド本社さんというのは老舗の会社と伺っていますが?
嶋崎:わたしたちの親とも言えるチャイルド本社は、月刊絵本を中心とした教材・教具などを幼稚園・保育園に販売する直販メーカーですが、設立は昭和5年で、今年創立80周年を迎えます。また、看板商品であるチャイルドブックは、創刊73年を経過し、いまも月刊で60万人以上の園児さんたちに読まれています。
Q.チャイルドブックは、わたしも幼稚園の頃読んでいました。大変伝統ある会社ですね。保育で実績ある会社がどうして書店販売に進出されたのですか?
嶋崎:月刊絵本を発行し続けるなかで、これはぜひいつまでも残しておいていただきたい、次の世代の子どもたちにも読ませてあげたい、と保育者の先生方がおっしゃる作品が数多く生まれてきました。
それを、書店販売版の形で残していこうということで、ひさかたチャイルドを設立したわけです。
Q.それは、どういう作品ですか?
嶋崎:たくさんありますが、当社のロングセラー絵本である「どうぞのいす」、「ねずみのでんしゃ」を初めとする「ねずみの7つ子シリーズ」、「ころわんシリーズ」、「999ひきのきょうだいシリーズ」、「わんぱくだんシリーズ」、「でんしゃでいこう でんしゃでかえろう」などがその代表ですね。これらは全て月刊絵本チャイルドブックから生まれた絵本です。
Q.よく知られている作品ばかりですね! これらがみんな月刊絵本だったとは驚きです。
嶋崎:保育現場では本当に子どもの心情に近いものでなければ評価されません。よくひさかたの絵本は子どもの心に寄り添っていると言われますが、これは生まれも、育ちも子ども一筋ですから間違いありません(笑い)。
Q.新刊としては現在どういった絵本を出版しているのですか?
嶋崎:現在もチャイルドブックから生まれた作品を出版し続けていますが、それに加えてひさかたオリジナルとして、「あかちゃんえほん」、「創作絵本」、「科学絵本」、「海外翻訳絵本」など、さまざまなジャンルの絵本の他、幼年童話にも出版の幅を広げています。
Q:そのひさかたチャイルドさんが創立30周年を迎えられての感想と、今後の抱負を聞かせてください。
嶋崎:いつのまにか30歳の大人になってしまったみたいですが(笑い)、気持ちはいつまでも子どものままです。子どもの心をなくしたら、子どもの本は作れませんからね。ひさかた30年の歩みは「子どもの絵本一筋に30年」と言えると思います。この気持ちをいつまでも持ち続けていこうと社員一同心を新たにしています。
「親子共々子どもの絵本一筋」でがんばってまいりますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。