チンパンくんはもうおにいちゃん
- 作:
- 穂高 順也
- 絵:
- 西野 沙織
- 出版社:
- 教育画劇
絵本紹介
2025.09.03
絵本の中で多く描かれる、身近な人との関係。親子、おじいちゃん、おばあちゃんと孫、そして幼稚園・保育園・小学校でのおともだちのおはなし。
中でもおともだちのおはなしは、おともだちになるところからはじまり、時々けんかをしたり、一緒に悲しみを分かち合ったり、時には遠くへ引っ越してしまったりとバリエーション豊富。子どもの成長や体験に寄り添ってくれる作品がたくさん出版されています。
今回はその中でも大好きなおともだちと一緒にいることの楽しさ、特別感を感じる作品を選んでご紹介します。おともだちといればはじめての体験がさらに特別な思い出として心に刻まれる。
そんなドキドキを絵本のページを開いて一緒に旅しましょう。
この書籍を作った人
愛知県生まれ。作品に『さるのせんせいとへびのかんごふさん』(ビリケン出版)、『どどのろう』(岩崎書店)、『どろぼうだっそうだいさくせん』(偕成社)、『とうさんとうさんいかがなものか?』(あかね書房)、『なきんぼあかちゃん』(大日本図書)、『よるのさかなやさん』【文溪堂)など。日本児童文芸家協会理事。
みどころ
白いネコのふうちゃんは、しましまのネコのなっちゃんに手紙を書きました。手紙には、「さがして」「ふうより」の文字と共に、じょうろの絵が。早速じょうろを見つけ出したなっちゃん。すると、じょうろの中から次の手紙が出てきました。今度は橋のような絵が描かれています。
こうして、手紙に描かれているものを発見する度に、次の手紙を見つけるなっちゃん。いったいその先に何が待っているのでしょうか。
作者はおくはらゆめさん。これまでにも『まんまるがかり』や『ネコナ・デール船長』と言ったネコが登場する絵本を描かれています。『おてがみさがし』には、口をすぼめて一生懸命手紙を書くふうちゃんや、キラキラした瞳で「おてがみさがし」を楽しむなっちゃんはもちろん、鳥や虫などの愛らしい生き物がたくさん登場するので、手紙だけでなくそちらも探してみてくださいね。
ところでこの「おてがみさがし」、やってみたいなあと思っていたら、おくはらさんは実際に息子さんと家の中でしていたとのこと! 一番最後の手紙をどんなものにするかは、自分次第。たどり着いた時の相手の喜ぶ顔を想像すると、準備だってワクワクしちゃいますね。
この書籍を作った人
1977年、兵庫県生まれ。辻学園日本調理師専門学校卒業。2005年、MOE絵本・イラスト大賞 年間グランプリ佳作、2006年、第12回おひさま大賞最優秀賞、2007年、第8回ピンポイント絵本コンペ入選。『ワニばあちゃん』(理論社)でデビュー、同作で、第1回MOE絵本屋さん大賞新人賞入賞。『くさをはむ』(講談社)が第41回講談社出版文化賞絵本賞受賞。その他主な作品に、『チュンタのあしあと』(あかね書房)、『まんまるがかり』(理論社)『やきいもするぞ』(ゴブリン書房)など多数。
この書籍を作った人
1978年大阪府生まれ。金沢美術工芸大学日本画専攻卒業。20歳の時にボローニャ国際絵本原画展を見て、独学で絵本を作りはじめる。絵本「サルくんとお月さま」で絵本作家としてデビューしたのち、フランスの出版社Le petit lezard社より絵本「CACHE CACHE」をはじめ、日本だけでなくフランスやイタリアなどで数々の絵本を出版。以降絵本の世界にとどまらず、テレビ、雑誌、企業広告、商品パッケージ、店舗デザインなどあらゆるメディアで活躍の場を広げる。今後の活躍が最も期待されつつある、日本人絵本作家の1人。読んだ人が絵本の世界に入り込め、登場人物の想いや言葉が空間に浮かんでくるような絵本作りを心がけ、たとえ言葉が通じなくても、子どもから大人まで世界中の人びとに想いと感動が伝わるような絵本作りを目指している。