冬眠中だったかえるたち。お母さんが真っ先に目をさまし「はるですよー。おきなさーい。」と子どもたちをおこしました。
あっちからもこっちからも、もこ、もこ、もこ。
999ひきのきょうだいがおきてきた、はずなのですが・・・、いくら数えても998ひきしかいません。
「おかしいわねえ・・・?」
すると「ぐー すー ぴー。」寝息が聞こえてきて、やっぱり寝ぼすけは、一番大きいお兄ちゃんです!
人気の「999ひきのきょうだい」シリーズ、第3弾。
1作目『999ひきのきょうだい』で、なかなか卵からかえらなかった寝ぼすけお兄ちゃんは、この『999ひきのきょうだいのはるですよ』でも、やっぱりお寝坊。
でも、お母さんに怒られおきてきたら、こんどはお目めぱっちり。弟たちと、まだ寝ているみんなをおこしにいくことにしたみたいですよ。「おねぼうさん、おきなさーい。」
かめさん、とかげさん、てんとうむしさん、おやおや、ついでに余計な誰かさんまでおこしてしまって・・・!?
かめのおじいさんと見上げる満開の桜、花びらとてんとうむしが舞うシーンがとっても素敵。
あたたかい春。心がうきうきして、「もう、はるだよ」「はるですよ」ってみんなにおしえてあげたくなる気持ち、わかりますよね。
シリーズおなじみ、文章は、木村研さん。絵は、村上康成さん。1作目のようにしかけ絵本ではありませんが、お約束の長〜いへびも登場して、村上さんらしいやさしいタッチとめりはりのきいた構図で、かえるの子たちの奮闘が味わえますよ。
のんびりした雰囲気とユーモアにあふれた、やさしい春の絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む