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「ねぎぼうずのあさたろう」アニメ放送開始!記念 特別企画特集1弾。

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来る10/12(日)に放送スタートを控えた、アニメ「ねぎぼうずのあさたろう」。
ご多忙な時期にも関わらず、この度東映アニメーション プロデューサーの浅間さんに、
多大なご協力を頂きまして、その魅力をお伝えしていこうと思っています。

今回は放送直前スペシャルということで、シリーズディレターである池田洋子さんに
お話をお伺いすべく録音スタジオタバックにお邪魔してまいりました。
(あの有名なアニメ番組のアフレコ作業がすぐ横で・・・という、ちょっと特別な雰囲気です!)


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まずは、この作品のプロデューサーをされている浅間さんより、
「あさたろう」との出会いから、決定、その魅力までを語って頂きました。

数ある絵本作品の中で、この絵本「ねぎぼうずのあさたろう」シリーズが選ばれたきっかけは何だったのでしょう?
      
今まで数えきれない程のたくさんの作品を作られてきた東映アニメーションさん。
(その華々しいラインナップはHPへ・・・)こちら>>>
2年前に創立50周年も迎えられ、「新しいアニメをつくりたい」と、
様々な意見が出された中で、浮かび上がってきた言葉が、
「原点回帰」だったそうです。
シンプルに「子ども達に楽しんでもらいたい。夢や希望を与えたい。」
そういった会社理念の基本に立ち上りつつ、新しい挑戦として選ばれた素材が
「絵本」。(今まで本格的に扱われた事は、殆どなかったそうです!)
その作品は、これまでに培われてきたアニメ制作技術の全総力をかけて取り組まれる事となったのです。

そこで白羽の矢が立ったのが飯野和好さんの絵本「ねぎぼうずのあさたろう」シリーズ
浅間さん曰く、「最初に見た時の、そのインパクトたるや!」
         「今までにこういったものってなかったよね!?」
この、江戸時代末期を舞台にした浪曲風痛快チャンバラ時代劇絵本
絵本界でも相当なインパクトを与えた作品でしたが、
アニメ制作の業界内でも、どうやらそれ以上の衝撃を受けていた様子です。
完成図が予測不能なこの題材に、誰もが驚きながらも嬉しそうな顔をされるそうです。
全員が面白がって創られる作品・・・それがアニメ版「ねぎぼうずのあさたろう」なのです。

絵本版「あさたろう」シリーズの魅力とは?浅間さんに改めてお聞きしました。

「絵本を読んでいると、とても風景の広さを感じるのです。」
と浅間さん。登場人物の入り方や、間の取り方、場面展開や見せ所などが
とても映画的な感覚だとおっしゃいます。
その作品の奥深さこそが、選ばれる際の一番の決定打となったのかもしれませんね。
そして、絵本の内容をしっかりたどっていくと、
昔から日本人が慣れ親しんできた「本格時代劇」として、人情もの、股旅もののパターンの形をとっており、老若男女、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめるものだと感じ、
なおかつ、長期シリーズとして発展できる内容だと確信されたそうです。
私達も知らず知らずのうちに、そんな部分に惹かれていたのかもしれませんね。

  
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カリスマ浪曲師の登場です!

ところで、絵本では御馴染みの、必ず冒頭に出てくる「浪曲の節」ですが、
この部分はどうなるのでしょう?
「ここはこだわりです!」
偶然、この日は浪曲パート録りをされてきたそうで、
国本武春さん(カリスマ浪曲師として全国で大活躍されている方なのです)
という方が担当され、本格的に呻っているそうですよ。
どうやって読んでいいか分からなかった読者の方々!
ここは、ひとつ要チェックですね。「本物」を聞くことが出来ます。

子ども達には耳慣れない浪曲ではありますが、
TV番組「にほんごであそぼ」で狂言などが繰り返し題材にされている事でも
証明されている通り、その不思議な音の響きに子ども達はきっと反応するでしょう。
古典芸能独特の音やメロディー、動きなどから、面白さというものはちゃんと伝わるものなのですね。


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アニメ作品「ねぎぼうず」のあさたろうができるまで・・・・。

私達は、当たり前ながらこの業界の素人なので、
どの様な手順でアニメ「あさたろう」が制作されているのか、想像がつきません。
またプロデューサーって、シリーズディレクターってどんなお仕事をするのでしょうか?
失礼とは思いながらも、素朴な疑問として投げかけてみましたら、
浅間さんがとても分かりやすく説明して下さいました。
  
「オーケストラに置き換えると分かりやすいかもしれませんね。
 演奏会が行われるとするとします。ホールの予約や、広告、
オーケーストラの内容、指揮者の選定などなどを行うのがプロデューサー
 それに対して、指揮者の立場になるのがシリーズディレクターです。
 楽器の編成を決めたり、自分の音色を表現する為の人選をしたり、
 また、こういう作品を創っていきたい、と言う事をそれぞれのパートに
 伝えながら全体を進めていく・・・というイメージでしょうか。」

具体的には、「ねぎぼうずのあさたろう」という作品名を決定し、シリーズディレクターを
選出されたのはプロデューサーさん、いざ作品制作がスタートして全体の作品演出を
コントロールしていくのがシリーズディレクターさんなのですね。

では、どの位の方達がこの作品に関わっていらっしゃるのでしょう?
「あさたろう」の場合、1話が30分、年間を通すと、全部で50話弱あるそうです。
そして、演出家が各回の話を担当するのですが、「あさたろう」には7人の演出家
いらっしゃるそうです。(ローテンションで進んでいくのですね。)
各話にそれぞれ関わる主なスタッフを数えると百名以上、
更に細かく絵を描いたりしていくスタッフを含めると数百名単位の方々が
「あさたろう」の放送に関わって動かれているそうです。

    
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ちなみに、1本のお話が出来上がるまでには、シナリオが完成してから
約3ヶ月程かかるそうです。
そんなお話が、毎週放送される・・・想像を超えたお話に、何だかくらくらしてきますね。
シリーズディレクターの池田さんは第1話の演出も担当されているので、
この取材でお邪魔した時期は、第1話の完成に向けてまさに大詰めの状態、
更に全体としては半年先(春頃)に放送される分のお話の準備に取り掛かって
いらっしゃる事になります。
本当に大掛かりで大変なお仕事です。
加えてこの立ち上がりの時期は、全員にイメージを伝えていく事が大事な大切な期間。
そんな中、池田さんに登場して頂きました・・・恐縮です!

    
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これまでも、数々のアニメ作品の演出を手掛けられてきた池田洋子さん。
「ワンピース」や「遊戯王」など、男の子ものの作品が多かったそうです。
更に、もともと小さい頃から時代劇がお好きだったそうで、
シリーズディレクターとしては初仕事となる作品がこの「ねぎぼうずのあさたろう」というのは、
まさに運命的な出会いの様な気がしてしまいますね。

池田さんが初めてこの絵本をご覧になった時、どう思われましたか?
 
 「子どもに向けて創られている、というイメージのあった絵本の世界で
 こんなにも本格的な時代劇が描かれている事に、驚きました。」

池田さん御自身は、お母様の影響もあり時代劇には小さい頃から慣れ親しんでこられたそうです。
子ども達が時代劇を楽しむポイントとしては、どんな部分があるのでしょう?

 「キャラクターにつきると思います。」

池田さんがこの絵本で、とにかく面白い!と思われたのは、
この絵本に出てくるキャラクターがみんな野菜であること。
(ちょっと人間ぽいなぁ・・・と思っていた通行人や脇役まで、実は全員野菜なのです!)
そんな強いキャラクターなのに、ちゃんと時代劇をしているところにとても魅力を感じるそうです。
そもそも、主人公のあさたろうは「なぜねぎなのか?」という、
永遠に深まっていく謎も含めて、この絵本の世界を存分に楽しみながら
作品を創られている様子でした。
   
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↑やはり池田さんも、絵本「あさたろう」について語る時は嬉しそうなのでした。


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アニメ版「あさたろう」はどんな男の子なのでしょう?

絵本の中の「あさたろう」は、ヒーロー的な存在感があり、男前の雰囲気や
ちょっとした色気まで感じてしまう位ですが、アニメ版の場合はどうでしょう?

「第1話がねぎ畑から飛び出すところから始まる事もあり、
 まだ世間に出てきたばかりの怖いもの知らずの男の子として、
 一人前の男前になる一歩手前くらいの雰囲気でしょうか?」との事です。
 もう少しあどけなさが残っている感じなのかもしれません。
     
この物語のみどころを教えてください!

「まず、まっすぐでちょっぴりばか正直なあさたろうのキャラクターです。
 そんな彼が、旅を続けていく中で、様々な出来事に出会って少しずつ成長していく様子や、
 あさたろうの、その純粋さに触れた事で出会った人々が少し影響されて変わっていく様子も
 みどころの一つですね。
 世直し的な大きなお話から、ちょっとした友情のお話、いじめられている人を助けたり・・・
 そんな事を繰り返しながら、旅を続けていくという物語です。」
 何と言っても、池田さん御自身が演出を手掛けられている「第1話」というのが
 シリーズ全体を通しての「キーポイント」になるそうですよ。
 これは、最初から見逃せません。
     
子ども達へメッセージを!
   
「世直しをする!など大上段にかまえるつもりはありません。
 行く先々で関わる人々との、ちょっとした出会いややりとりを見てください。
 また、信念をまっすぐに伝えるあさたろうの姿勢や、結構子どもながら、まっとうな事を
 言ったりするあさたろうのキャラクターに触れてほしいです。」

大人の方へ・・・こんな見所もありますよ!

「何といっても、キャラクターデザインを手掛けている方の、そのこだわりようです。
 キャラクターの服装や小物、時代考証などとことん調べる姿勢が凄いのです。
 本物を理解した上で、それぞれのキャラクターに反映されているので、
 本格的時代劇として楽しめる内容になっています!」

「その方」には、後日お話をお伺いできる予定です!お楽しみに・・・。


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ではでは、アニメ放送開始前に聞いちゃいます。

池田さんのお気に入りのキャラクターは誰ですか?

「そばがきげんえもんが好きですね。」そばがきげんえもんというと・・・絵本では5巻に登場しますね。かなり強烈な風貌です。
「少し抜けているけど剣の腕は立つ!そんな部分がぐっときます。」
本当に「通」らしいお答えなのです。(ちなみに、わが息子もかなり彼にははまっていましたっけ・・・。)
   
アニメを制作されている方々の間で人気のキャラクターはいますか?

アニメ作品を制作している方々の間では、にきちが意外と女性に人気!?とか、
きゅうべいは、もともと人気がある・・・だとか。
アニメ版のオリジナルキャラクターとして登場するこももちゃんも見逃せませんね。

またお父さんとのからみも絵本の見所のひとつですが、
アニメ版でも2話続きもので、かなりいい感じのお話が用意されているそうですよ!
期待していてください・・・との事です。
    
それでは皆さん、10月12日の放送を楽しみに待ちましょうね。
(現在は、放送される地域が限られていますが、皆様のお声次第で放送地区が広がっていく可能性が
 大きくなるそうですよ!)  
  
     
放映日などの詳細内容、
予告編などの動画も見られる 
東映さんのHPを是非ご覧下さい!→東映アニメーション ねぎぼうずのあさたろうサイト

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