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『ぼくんちに、マツイヒデキ!?』特集です。 »

絵本『おふろだいすき!ぷっぺ』作者のよしながこうたくさんにお話を伺いました。

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給食番長』で強烈な印象で絵本作家デビューされたよしながこうたくさん。
迫力のあるその画風と、ユーモアたっぷりながらどこか筋が1本通ったストーリーに、
子ども達のみならず、全国のお母さん達まで夢中に!という声を多数頂いています。

我らが絵本ナビオフィスにも、遠く博多から何度も遊びに来て下さっています。
(最多記録更新中!!)

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初めての登場!>>>     2作目の登場!>>> 
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爆笑の制作日記!>>>    読み聞かせ動画もあります。>>>

記事からもお察しの通り、かなりお茶目でサービス精神旺盛なこうたくさん。
最近ではお話会でもひっぱりだこのようです!

そんなよしながこうたくさんの待望の新刊が登場!

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おふろだいすき!ぷっぺ』 よしながこうたく 作 小学館

・・・という事で、
勿論絵本ナビでは、今回も色々と作品に関する質問に答えて頂きました。
こうたくさんの素顔の部分を想像しながら(笑)、お楽しみください!!


■ 「お父さん、スゴい!」という絵本を描こうと思い・・・。                        

『おふろだいすき!ぷっぺ』は、主人公のぷっぺとお父さんが銭湯へ出かける所から始まります。
この作品が生まれるきっかけが『PaPa’s絵本33』(※)だった事もあり、
「お父さん」というテーマは最初からあったのかな・・・と想像するのですが、
その舞台に銭湯を選ばれたところがとっても興味深いですよね。
そこでこうたくさんに、この作品のアイデアが生まれたきっかけなどを伺ってみました。

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最初、『PaPa’s絵本33』のテーマが「お父さん」だったので
「お父さん、スゴい!」という絵本を描こうと思いました。
それで、お父さんってどげな時に凄かったかいなぁ~・・・と思い起こすと、
自分を背中に乗せたまま泳いだときに、父ちゃんスゲ~!!と思ったなぁと。
じゃぁ、親父がいっぱい出てくる水辺ってどこかと考えたら、銭湯でした。
僕自身、銭湯が好きで、東京に住んどる時は、いつも首にタオルを巻いて
見つけた銭湯には片っ端から入っとったので、舞台はここだ!と。
加え、親父だらけのムチムチした絵本を描いてみたかったんです。
加え、全国お母様達からの「子供がお風呂に入りたがらないんです」というメールはデカいです。

※『PaPa’s絵本33~パパのためのROCK’N絵本ガイド』(安藤哲也著)。
『おふろだいすき!ぷっぺ』は、この本の巻末に収録する為に書き下ろされた(豪華!)作品を
改めて書き直して出来上がった絵本です。内容も少し変わってます!



■ 実際の銭湯のイメージを細部まで再現!                                

この作品の魅力の一つは、何といっても隅々まで丁寧に描かれた銭湯の様子。
初めて見ても、何だか懐かしいような気分になってしまいます・・・。


ぷっぺを読んだ子供達が、実際に銭湯に行った時に
「もし今この銭湯に本当に動物達が入って来たらどんな感じなんだろう?」
とイメージしやすいように、銭湯を細部まで再現しました。
銭湯資料とにらめっこはもちろん
スーパー銭湯に通い詰めたり、
福岡は天神にある老舗「本庄湯(創業50年)」にも取材協力をしてもらいました。
おじいちゃんに「青年、わたしは写真、ノーサンキューよ!」とか注意されながら
バッシャバシャ写真を撮りまくりました。


■ ぷっぺの名前の由来は・・・!?                                       

お話の中に登場する様々なお風呂と、そこに入っている動物の習性が絶妙に絡んでいるのが
とっても面白いのです。
そして、主人公はぷっぺ。ぱっと見ただけですぐに何の動物から当てられる人はかなり通?

ぷっぺは水を噴く生物という設定にしたので、最初は象だ!と思ったんですが、
「ベタだ・・・それでも変な絵本作家か!」ってことで、テッポウウオになりました。
ヒネリ過ぎて「で、テッポウウオって何ですか?」と尋ねられる、落ちないオチでございます。
のおぉ~んってな感じで本編の隅っこに動物図鑑まで描く懇切丁寧説明的な作り!
ちなみに「ぷっぺ」は大分県の温泉地「別府(べっぷ)」をひっくり返した名前なんです。

ちなみに最初に思い浮かばれたのは・・・?

最初にイメージしたお風呂は「スカンクの泡風呂」でした。
読み聞かせの時に笑いをとりたい・・・という切なる想いから、
おならは必須だな!と。わかりやすい!(でも実際に湯船でおならはしないでね。)

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▲こちらが「スカンクの泡風呂」!ブクブクですね・・・。


■ こうたくさんにとっての父親像とは・・・?                                   
 
『PaPa‘s絵本33』の中で収録された際と、エンディングが大分変わっているのが
印象的でした。(違いを読み比べてみるのも楽しいですよ!)
この作品に登場するお父さん達は、結構怒ってます。
こうたくさんの中で、理想の父親像などは具体的にあるのでしょうか?

僕の父は、マナーの悪い若者を見ると、どこでも大声で怒るんです。
レストランでも、ガソリンスタンドでも、店員の礼儀がなってないと怒鳴る。
そして怒ってる理由は子供の僕でも明解で。
父には、若いものには絶対に負けない!という迫力がありました。
(兄がグレた時も、最終的には父の力でおさまる構図でした。)
それを見ながら育つうちに、僕は礼儀を覚えました。
親父とは筋の通った強さで子に背中を魅せるものだと思っとります。
だから『ぷっぺ』に出て来る親父達は、怒る、怒鳴る、威勢を張るのでございます。


■ 制作中、一番楽しかったのは・・・。                                      

本作品の制作にあたって楽しかった点、苦労された点などはございますか??

老舗の銭湯取材中に近所の小学生が数人お風呂に入ってきたんですが、
おいさん達が「どこの小学校だ?」「何年生だ?」と話しかけてたんです。
「なるほど!これが今の日本に必要な街の小コミュニティやね!」と、感心しちゃって、
「よし。そんな絵本ば描こう!」と思って人間観察しとる時が一番楽しかったですね。

絵で苦労したのはお湯の表現です。お風呂を温かそうに描くのが意外と難しいんです。
あと、動物って、茶色とか黒とか、意外とカラーが地味なんですよ。これも悩みの種でした。


■ 動物の気持ちを想像しながら楽しんで!                                 

読者の方には、この作品をどんな風に楽しんでもらいたいですか?

各お風呂の「効能」を目当てに入っている動物の気持ちを想像して楽しんで欲しいです。
効能もあえて子供達が分からないものにしました。
「二日酔いって何?」「二日酔いってのはね・・・」と親子で会話して頂けたらと思います。
そして読んだ後は、親子で実際に銭湯に行ってもらいたいです。
子供も大人も、実生活とファンタジーが強く結びついて、楽しい夢を持ってもらえたら幸いです。


■ 絵本ナビ読者の方へ・・・                                            


最後によしながこうたくさんより、絵本ナビ読者の方へ直筆イラスト入りメッセージを頂きました!


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皆さんも、こうたくさんの気迫に負けない位の気持ちでこの絵本を楽しみましょう!!

よしながこうたくさん、ありがとうございました。

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