ベトちゃんドクちゃんのことを知っている子どもたちは、どれくらいいるのでしょう。
ベトナム戦争のこと、使用された枯葉剤で何が起こったのか、いつの間にか忘れられようとしてはいないでしょうか。
ひとつの個体として生まれた、結合双生児のベトちゃんドクちゃんの姿は衝撃でした。
手術で分離されて、弟のドクちゃんは今も生きているそうです。
兄のベトちゃんは亡くなりました。
ドクちゃんは結婚もして親となり、平和のための活動を続けているそうです。
ドクちゃんは同体として育ったベトちゃんの分も生きようとしているのだと思います。
ある意味感動物語ですが、戦争という非人道的な行為が引き起こした悲惨を、美談に置き換えてはいけないという警鐘を鳴らし続けている絵本だと思います。
ベトナムを攻撃に行った爆撃機は沖縄から飛び立ちました。
ベトちゃんドクちゃんの分離手術には、日本人医師も参加しました。
日本人として無関係ではない事実だと、改めて痛感しました。
忘れてはいけない1冊であり、様々なことを学ぶ導入の絵本です。