
鼻の頭に雨のしずくがぽとり。
「あ あめだ」
ぴ、ぴた、ぺたたん、色々な音をたてながら雨のお花が咲いていく。葉っぱや傘の上にも、畑にも、やがてまちじゅうに雨のビーズが散らばって! 七色に輝く雨つぶが奏でる豊かな音色に、美しいダンス。まるで音楽会のよう。さらに水たまりに足を踏み入れてみれば、そこから見える景色は……?
絵本のはじまりは、色のないまちの世界から。雨がふるにつれ、だんだんと色づいていき、やがてまち全体が瑞々しい色に輝いていく。それは、雨を待ちわびていた主人公の子の心を反映している? それとも彼の目にはこんな世界が映っている?
まるで生きているような雨の描写と独自の色彩が新鮮なこの絵本は、佐伯朋子さんの絵本デビュー作。リアルだけれど幻想的。新しい感覚が味わえる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

色のないまちに 雨が降る まちが少しずつ 色づいていく 雨のしずくが顔にぽとり。次第にまち全体を雨が包んでいく。雨音をたてて、まるで音楽会のように降りつづく。 雨がまるで生きているかのように、美しく色鮮やかに描く 絵本デビュー作。

どこか不思議な印象の表紙にひかれて読んでみました。初めて読む作家さんだと思ったら、デビュー作だったのですね。あめがふってくる様子がファンタジックに描かれています。雨がビーズだなんて、とても素敵! 幻想的で美しい絵に魅了されました。雨の日に、また、よみたいです。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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