今晩はどしゃぶりです。 お月さまもびしょぬれ。 風邪をひいて、浮かんでいるのもつらくなったお月さま。 地面におりて湿った草の上で横になっていました。 その様子を偶然見つけたイワンさんは、 熱があるお月さまを連れて帰って看病することにしました。
お月さまとの交流を描いた優しく美しいお話。 作者は、ロシアの現代美術をリードするアーティストであり、 イラストレーターのレオニート・チシコフさん。 チシコフさんは、2003年から「僕の月」というアート・プロジェクトの中で、 光る三日月のオブジェを世界各地で撮影し、残しています。 現実の世界にお月さまが本当に地上に降りてきているような素敵な情景。 その世界観を絵本で表現したのが本作です。
お月さまとイワンさんが語らうシーンはなんとも幻想的で 居心地の良い上質な静かな時間が流れていきます。 二人の交流とどこまでもロマンチックで夢のある描写にうっとりとする絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
ある晩、大雨でびしょぬれになったおつきさまは、かぜをひいて、ねつを出してしまいました。草の上でよこになっていると、イワンさんという青年がやってきて、家で看病してくれました。おつきさまがよくなると、ふたりはいろいろな話をしました。3日たち、おつきさまはそろそろ空にもどろうとしましたが、自分でのぼることができません。そこでイワンさんは…? 友だちのいない青年とおつきさまとの絆を描く、現代ロシアの心あたたまる絵本。
ファンタジーのような心温まるお話です。
お月様も毎晩出て、時に雲に遮られ時に雨に濡れて、お疲れ様です。
風邪をひいちゃう時もあるかもですよね、お疲れ気味の時もあるかもですよね、お月様だって。
イラストもとっても素敵な絵本でした。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
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