バナナ好きな園長ななこさんと子どもたちの「バナナこどもえん」。
「みんな、おはよー! きょうはざりがにつりにいこうよ!」
元気いっぱい、坊主頭のかっきーがやってきました。
「いこう いこう」と子どもたち。
ななこさんが持ち物を用意して出発です。
小川に着くと、ななこさんから糸をもらって、枝に結んで、するめを結わえて・・・。
ざりがにってするめが好物なんですって!
といってもすぐ逃げてしまってざりがにはなかなかつれません。
かっきーは、すごく悔しそう。
「はじめてつれた!」と喜ぶごーちゃん。年下のあーくんももう少しでつれそう・・・。
あーくんが手でつかめないざりがにを、かっきーがつかんであげました。
大きくて、立派なはさみのざりがに!
二人で仲良く園に持ち帰りましたが、うちに帰る時間になってかっきーとあーくんはどちらが家に持って帰るかで互いにゆずらずけんかになり・・・!?
保育の現場で子どもの心に寄り添ってきた柴田愛子さんならではのストーリーに、かつらこさんの描く子どもたちの顔(もちろん、ざりがにも!)がいきいきと魅力的で目が離せません。
かっきーとあーくんが向かい合う表情や、子どもたちがてんでばらばらにけんかについて意見を言うところ、ななこさんが「どうすることにした?」とやってくるところ・・・。
わが家の5歳の娘は、けんかのシーンを、何度もページを開いて見つめていました。
翌日、バナナこどもえんのみんなは、雨の中、ふたたび小川まで元気に行進です。
それは読んでいてちょっぴり胸が熱くなっちゃう姿でした。
ともだちとぶつかっても自分で気持ちをたてなおせる子どもたち。
心の折れない子どもたち。
きみたち、いつまでもそのままでいてね!と声をかけたくなる行進です。
子どもの心の強さを信じよう。そう爽やかに思えるお話絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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さりがにつりにでかけたバナナえんの子どもたち。
自分でざりがにをつることができなかったかっきーは、あーくんと取ったさりがにをいっしょに持ってかえりました。
すると、「あっ、ざりがにがだっぴしている!」本物そっくりの殻に、みんな驚きました。
帰る時間になると、かっきーはあーくんにいいました。
「おれがとったんだ。だからおれがもってかえる。
おまえはからをもっていけ」あーくんは泣き出しますが、かっきーの目はどんどん強くなっていきます。
そして、あーくんは言います。「いいよ、ぼくいらない。かっきーにあげる」集団の中で、
一人一人がいきいきと輝いている子どもたちを描き、本気のけんかを通じて、子どもの心の成長をとらえます。
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