オーストラリアの牧場に、黒白もようのシロオビ・ギャロウェイ族と、赤白もようのヘレフォード族が住んでいた。二つの種族は、年に1回開かれるレスリング大会で勝った方が、牧草がたくさんある牧場に住めることになっていた。でも、シロオビ・ギャロウェイ族は、毎年負けてばかりいたので、みんなやせっぽちだった。
ある日、シロオビ・ギャロウェイ族の中に、体じゅう真っ黒な牛、クランシーが生まれた。クランシーは、みんなから仲間はずれにされて育った。
ある晩、クランシーはヘレフォード族の牧場に、こっそりしのびこんだ。そうしたら、だれにも見つからなかった。なぜなら、クランシーは真っ黒なので、暗闇にすっかりとけこんでいたから! そして、クランシーはだれにも見つからずに、毎晩おいしい牧草をたっぷり食べて、どんどん大きくなった。
そしてレスリング大会の日がやってきた。クランシーは、対戦相手を、あっという間に倒してしまった! シロオビ・ギャロウェイ族の牛たちは、へレフォード族の牛たちを、豊かな牧場から、追い出そうとした。そのとき……。
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