まっくろくろのふわふわの四本足。
この足と一緒に歩いていくよ、てくてく、とことこ。
目線はぐぐっと地面の近く、このまっくろな四本足で立っているつもりになってみてね。
さあ!世界をぐるっと歩いていくよ。
マーガレット・ワイズ・ブラウンによる英語の詩、横のページには木坂涼さんによる軽やかな
日本語。そしてページをめくると・・・画面いっぱいに広がる地平線!そこは草原だったり、街だったり、海だったり。画面のはじっこに見える不思議な黒いふわふわの四本が地面を歩く足なのです。
すごく不思議なこの構成。なんでも、四本足の向きに合わせて、本をくるくる回して読むんですって!
確かに横になってたり、逆さまになっている風景まで出てくるんです。これにはびっくりです。
だけど、「てくてく とことこ」「てくとこ ずんずん」「ぴちゃぴちゃ ぱちゃぱちゃ」、言葉のリズムに乗って一緒に歩いていくと、なんだか世界中のどこまでも歩いていけちゃう気がしてくるのです。
広くてせまい、小さいけれど大きい、大好きなまるーい地球を感じるのです。
そして、何より絵が素敵!
次々に通り過ぎて行く景色の中で見えてくるのは、個性的な色彩と線で表現されている植物や動物たち。その度にじっくり眺めてしまうので、結局読み終わるまでにはとても時間が過ぎていたりして。
絵を描いているのは、『よかったねネッドくん』『いたずらこねこ』のレミー・シャーリップ。ワクワクしちゃいますよね。
子どもたちはどんな風にこの絵本を読むのかな、それを考えるのも楽しい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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