昔、ある町の靴屋がとても立派な靴を作りました。見た人みんながあんまり褒めるもので、靴はすっかりうぬぼれやになってしまいました。 ある日のこと、うぬぼれやの靴は、靴屋を抜け出してお城に向かいました。 ところが、途中で突然大雨が降ってきて、うぬぼれやの靴は泥だらけになってしまいました。 そして、泥だらけのままお城の中へ入っていったのですから、さあ大変!! うぬぼれやの靴は、願いどおり王様の靴になることができたでしょうか?
ルイス・ストロボキンさん(1903〜1980年)の絵の1956年の作品のようです。
「がちょうのペチューニア」や「ごきげんなライオン」のロジャー・デュポワザンさん(1904〜1980年)と同様、1950〜60年代にアメリカで活躍された方です。
お二方の絵は、色数が少ないのですが、あたたかく柔らかく優しい感じを受けます。
国は違いますが、イギリスのウイリアム・ニコルさんの「かしこい(おりこうな)ビル」にも共通したものを感じます。
このお話は、ある町の靴屋の主人が、会心の靴を作りました。
国中で一番上等な皮を使い、細かい模様が刺繍され、金色に輝くまで磨き上げられたその靴は、すうぬぼれやになってしまいました。
右足と左足の靴が会話し始めるのが愉快です。
彼らは、自分たちが、お城の王様にピッタリだと決め込み、靴屋を抜け出し、お城へ向かいます。
この後の靴の狼藉ぶりに、ビックリします。
しまいには、王様までも怖がらせて、・・・・・・。
古汚い靴になってしまったこの靴を、作った靴屋さんも気づかず部屋の隅のごみ山へぽいっと振り捨て、・・・・・・。
あらあら大変と思ったら、彼らにも第二の人生が・・・・・・。
ここで笑っていましたが、さらに幸せな結末が待っていました。
いやぁ〜、うまいお話の筋だな〜と思わず声が出てしまいました。
ヘレン・ビルさんの他のお話も読んでみたいと思いました。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子17歳)
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