子どもに伝えたいインドの昔話
あわてんぼうのウサギが、大きな音を聞きつけて、「世界が壊れた!」と思い込みます。森の動物たちは、大騒ぎ。そこに現れた森の王さま、ライオンが、「本当のことを自分の目で見極めることが大切だよ」と諭します。
昔むかし、おしゃかさまがライオンだったときのおはなしです。
インドの海の近くに、ウサギがすんでいました。ある日昼寝をしていると、「ドッダダッドーン」というものすごく大きな音がしました。ウサギは、びっくり仰天!「世界が壊れる−」と逃げ出しました。「死にたくない〜!」と走っていくウサギを見て、森の動物たちも大慌て。みんな逃げ出しました。
さてさて、本当に、世界は壊れてしまうのでしょうか?
その様子を見ていたラインが、「どうして逃げているのか?」とたずねると、動物たちは、口々に「世界が壊れはじめたのです」と答えました。
世界が壊れる音とは、何だったのでしょうか?
ジャータカ物語とは、おしゃかさまの前世の物語です。おしゃかさまは、前世で動物など様々な生を受け、善行を積んできたから、偉大な仏になったと信じられています。そして、このジャータカ物語は、仏教の教えだけにとどまらず、人間としてのあり方が、寓話性豊かに語られているところから、イソップ、グリムなど世界の説話文学に影響を与えています。
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