大きな池のまんなかの、スイレンの葉っぱの上で休んでいるのは、2ひきのカエル。片方のカエルが、なぜか大事そうに棒きれをかかえている。
「なんで また、そんな ぼうきれ かかえてるのさ?」
1ぴきのカエルが聞くと、これは犬よけ棒だと答える。犬が飛びかかってきたら、この棒でバンバーン!とやっつけると言うのだ。けれど、まわりには犬なんか来る気配もない。
「犬が池を泳いできたら、おれたち、くわれちまうぞ!」
それはそうだけど、だいたいこんな広い池のまんなかに、どうして犬が泳いでくるというのだ。それより、カワカマスやアオサギに食べられる心配をするべきなんじゃないか。
2ひきがそんな会話をくりひろげていると、背後には怪しい影が。そして、ふとした出来事をきっかけに、2ひきの周りではあっという間にとんでもない展開に……! さあ、どうなる?
大きな池を背景に、描かれているのはリアルな2ひきのカエルの姿。特別に可愛らしい訳でもなく、珍しい場所が登場する訳でもなく。特別な場面転換だってしないまま。それでも、会話を聞いているだけで、なぜだかもう目が離せない。すっかり2ひきのカエルの世界に引きこまれ、笑ってしまうのだ。大事件が起きているような、そうでもないような。
この絶妙なユーモアセンスで楽しませてくれるのは、『ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ』などで知られる、イギリスの絵本作家クリス・ウォーメル。ケイト・グリーナウェイ賞最終候補、ネスレ・スマ―ティーズ賞銅賞受賞のこの作品を、絵本作家はたこうしろうさんの軽快な翻訳で楽しませてくれます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ケイト・グリーナウェイ賞最終候補、
ネスレ・スマ―ティーズ賞銅賞受賞作。
カエルのイラストと
ウィットにとんだ文章の組み合わせが絶妙で、
読み終えたとたん、
もう一度読み返したくなる!
【イブニング・スタンダード紙】
2ひきのカエルのかけあいがすばらしい!
カエルと一緒になって笑ったり、
カエルのことを笑ったりと、
楽しくて大満足の一冊。
【ガーディアン誌】
大きな池のまんなかの、スイレンの葉の上に、
2ひきのカエルがいた。
かたほうのカエルはぼうきれを持っている。
「なんで、そんなぼうきれを持ってるのさ?」
「これは犬よけぼうだ。
犬がきたら、こいつでバンバーンって
やっつけるのさ」
「でも犬なんてどこにもいないよ」
「犬が池を泳いできたら、
おれたち、くわれちまうぞ!」
「でも、この池で犬が泳いでるのなんて、
見たことないだろ?」
「犬を散歩につれてきたやつが、
ボールを池に投げて、
『ボールをとっといで!』って
いうかもしれないだろ」
……2ひきがこんなやりとりをしている
あいだに、とんでもないことが…?
リアルなイラストが不気味で楽しい、
読み聞かせで子どもたちが大喜びする絵本。
『かしこいさかなはかんがえた』など
、独特のユーモアで読者をひきつける
クリス・ウォーメルの代表作を、
絵本作家はたこうしろうが軽快に訳しました。
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