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あるところに、とても妹思いの優しいお姉さんがいました。遊んでいるときも、おさいほうをしているときも、いつでもお姉さんは妹のめんどうをみてくれます。妹が泣けば泣きやませてもくれます。お姉さんは何でも知っていて、何でもしてくれます。しかし妹は、ある日、ひとりになりたくなりました。「さあ」だの「ほら」だの「こうなさい」だの、いろいろいわれるのにあきたのです。妹は、こっそりうちをしのび出ると、野菊の咲き乱れる原っぱにはいってゆきました・・・・・・。 姉と妹の、繊細で思いやりあふれるやりとりのうちに、幼い意識の目ざめを新鮮にうたいあげた絵本です。
作者は二人ともアメリカの女性。ゾロトウは、コモンウィール誌で<子ども時代をのぞく窓を持っている詩的な書き手>と評された絵本作家で、出版社に勤務しながら、これまでに50冊以上もの子どものための本を書き続けてきました。アレキサンダーはジョージア州出身の画家。この絵本では二人の少女の微妙な心の動きを、やわらかな色彩で、やさしく見事に描きだしています。
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シャーロット・ゾロトウの本は、静かな中に深いものがあることが多いのですが、私はあまり積極的には読んでいませんでした。
でも、この本は、いろいろな場面でよく目にするので、興味を持ち、読んでみました。
守る者と守られる者。いつかは同等になるし、いつかは逆転することもあります。
そんなことを、この本はとても温かい目で描いていて、優しい空気が流れています。
姉さんと妹のお話ですが、私は、姉さんに母としての自分の姿を、そして妹に我が家の子どもたちの姿を重ねてしまい、胸がきゅんとなってしまいました。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子9歳、男の子7歳)
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