ひとりで好きに過ごすのは悪くない。
時々はママと公園やご飯を食べに行くことだってある。
でも、またひとりになる…。
だけど私には特別なともだちがいる!
これは本当に運がいい。
本当に困った時は、いつでも助けにきてくれる。
わたしだけの秘密のともだち、アルド。
他の人には見えなくても、役に立つことはなくても、
たまに存在を忘れることがあったとしても。
アルドがいれば、どんな時だって怖くない。
少女の孤独な心を支えているのは、彼女自身の豊かな想像力。大人へと成長していくその一歩を踏み出す時、誰だって不安で心細い時期を通り抜けなくてはなりません。例え、それを支えてくれる人がまわりにいなかったとしても。いつも隣にいてくれるお友達が空想だっとしても。彼女にとってそれは大切な存在なんだということが、痛いほど伝わってきます。
ジョン・バーニンガムが絵本の中で描くのは、いつだって子どもの心の中に住んでいる小さな不安。不安定な線と風景でそれらを描き出す。だけどそこから受ける印象は不思議と自由で明るくて。くすっと笑えるユーモアで包み込んでくれるから、読んでいるうちに心が軽くなっていくのです。
「この感覚、自分だけじゃないんだな」
そう思えることが、子どもたちの心を救ってくれるのかもしれません。
もちろん、大人になってしまった私たちのことだってね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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