初めて人前で披露する発表会は、いつだってドキドキワクワクそわそわ。
不安もいっぱいだけど、何より誰よりやっぱりお母さんに見てもらいたい!
このお話は、そんな女の子の小さな胸に秘めた繊細な心の動きを見守るように、やさしく包み込んだ絵本です。
明日は、れなちゃんが、待ちに待った幼稚園の発表会。
お母さんお手製の髪飾りをつけて、鏡のまえでポーズを決めます。
発表会では、弟のはやとくんもカスタネットの演奏をするのです。
「はやく あしたに なあれ」
ところが、当日の朝。はやとくんがどうやら風邪をひいて熱をだしてしまいました。
お母さんは弟を病院に連れて行くため、発表会に行けなくなるかもしれません。
お母さんは不安がるれなちゃんの手をとって、ぎゅっぎゅっとにぎりしめました。
ほかのお友だちがお母さんと一緒に準備をしている中、れなちゃんは強がってひとりで着替えます。
一人ぼっちで準備して、おまけにお母さんの作ってくれた花飾りまで忘れてしまい・・・。
何度も何度もお母さんとはやとくんが来ているんじゃないかと、後ろを振り返るれなちゃん。
本当は心細くて寂しいんです。その場から逃げ出したいのです。
でも、舞台の上で泣き出しちゃう自分に負けないように、お母さんが教えてくれた内緒のおまじないをするれなちゃん。どのページを見てもわが子を見守るかのように、胸がギュウとつかまれます。
お母さんが教えてくれた「ふたりだけのおまじない」って
小さい子どもにとっては計り知れない勇気をくれる、心強い本物の魔法みたい。
子どもの気持ちが痛いほどわかります。
是非、絵本の中でれなちゃんの活躍を最後まで見守ってあげてくださいね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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