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くまさんに自分を重ねているのかな?
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投稿日:2017/09/13 |
2歳の娘が、とくに眠い時、指名する絵本です。
とにかく静かな絵本です。
抑揚がないといってもいいくらいに。
でも、娘は『読んでっ!』とせがみます。
冒頭の、くまくんが寝かしつけてもらう場面、ぬいぐるみだと思うだけに、微笑ましい描写です。
なかなか寝つけないくまくん。
月明かりの窓の下、今日や明日の出来事に、思いを巡らせているのでしょうか。
娘は、そんなくまくんに、自分を重ねているようです。
風船…お月様…ぞうさん…雨…、娘にとっても思い入れのあるものが次々と出てきます。
でも、くまくんがしばらく出てこないと、『くまくん、どこ?』と、まるで自分を探すよう。
お月様にキスをして、おやすみなさい。くまくん眠れたね。
娘も眠くなったかな…
『もう一回!』
はい、はじめから。
もうすぐ3歳の娘、かなりお気に入りの様子です。
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やり過ぎなほどダイナミック
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投稿日:2013/02/02 |
前作『カミナリこぞうがふってきた』では、カミナリに撃たれたみんながチリチリ頭になった画は衝撃的で、新しい世界観の絵本が「キターッ!」と興奮しました。あのシゲリカツヒコさんの待望の新作ですから、開く前からもうワクワクです。
今回の題材は妖怪。
ふしぎな存在自体が大好きな僕ですが、なおかつこんなうまい絵だと堪りません。息子はというと、ページをめくるごとにちょっとづつ変わっていく背景の仕掛けに、「間違い探しみたいで面白いっ!」と嬉しそうにページをめくってはまた戻ってと、喰いついていました。
この絵本の見どころは、クスッと笑える洒落っ気の利いた描き込みやダジャレです。
それから、壮絶に繰り広げられる展開と、空間の描写。大爆発が迫りくる様子はハリウッド映画を連想させます。(ふじみ交通という名前は、世界一ツイテいない男のアクション映画を連想させる)やり過ぎなほどダイナミックで、絵本の世界観を突き抜けています。
もちろん、しっかりした妖怪のキャラクターも重要なポイントです。それは、たかしよいち(高士與市)さんの妖怪創作話の挿絵を描いてこられた実力でしょう。そちらの妖怪たちは人間を突き放すほど畏れる描写ですが、この絵本の妖怪たちはどれも愛嬌があって、こどもたちにも親しまれそうです。
ますます次回作と妖怪絵本の拡がりに期待してしまいます。
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映画のような
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投稿日:2012/02/05 |
黄色いレインコートの子が、夕暮れから明け方までに、ある物を探しに町中をかけ巡ります。一見不気味なその子の、意外な正体が最後に明らかになります。二度読みの時は、おどろおどろしい“もののけ”のようなモノたちも、一様に楽しげな仲間のように映りました。
力の籠った描き込みは作品への愛着に通じ、暗い色使いの中にレインコートの黄色だけが“パッ”と浮かんでくる感じは、森洋子さんの「かえりみち」や、鈴木よしのりさんの「ケチャップマン」などと同じ匂いがして、てっきり軽部さんの処女作かと思いました。売れる作品というよりも、映画でいうと単館モノのような、ここでしか観られないかも(でもここから全国区になるかも)という期待が湧く作品です。
装丁にも遊び心があって、カバーをめくると違うイラストの表紙が出てきました。映画フィルム風のカットは、確かに、パラパラアニメのように動画にしたら面白いだろうなと想像させてくれます。
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ツッコんで読む
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投稿日:2012/02/01 |
うさこちゃんシリーズはとても有名な作品ですが、自分の幼い頃にも、息子が8歳になる今まで、不思議と縁がなかった作品でした。ある時、五味太郎さんの「絵本をよんでみる」という著書(自身に影響を与えた作品たちをトコトン読み込んで解読するという本)を読んだところ、一番初めに取り上げられていて、五味太郎さんの受けた影響力と、作品への思い入れの大きさを感じたのと、分析の切り口が面白くて、すかさず「見たい!」と思いました。
ディック・ブルーナさんの作品は、意識せずとも日常生活の中で接していることと思いますが、改めて解説などを聞いて観てみると、究極に無駄な線を排して完成された画ということや、極端に少ない色使いの1色1色には感情が込められていると聞いて、ますます感心してしまいます。絵本として類をみないビビットな配色は、現代でのインパクトもさることながら、1964年初版当時はどれほどだったことでしょう。
そんな分析はさておいても、8歳の息子と一緒に初めてのうさこちゃんに触れると、意外なうさこちゃんの大人びた言い回しや、おとうさんの古めかしい言葉づかいなど、石井桃子さんの訳が心に引っかかるというか、可笑しくて、ツッコミながら楽しく読めました。
小さい子供となら、(初期の頃の多くは)うさこちゃんが決まって眠くなったところで終わるという形に安心感があって、寝る前の読み聞かせにいいのかなとも思います。
ちなみに、同じキャラクターなのになぜ“うさこちゃん”や“ミッフィー”など違う名前で呼ばれるのか、調べてみると面白い事実がわかってきて、ますますうさこちゃんシリーズにハマりそうです。
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羨ましいですね
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投稿日:2012/01/25 |
斉藤洋さんの実体験だとしたら、僕はとっても羨ましいですね。
霊感などは全くなく、心霊や妖怪といった背中が凍てつくような類の話しは遠慮しますが、主人公が体験したような虫の声、狐のイタズラ、神隠し、座敷わらしや人玉といった類の話しは不思議と怖くなく、身の回りで起こっても歓迎するかなと思える反面、自然と人間の間に距離ができてしまった現代では、起こりにくいのだろうと思うと、余計に興味が湧いてきます。
1960年前後、主人公が母の実家で過ごした幼少期に体験した、不思議な出来事をつづったお話しですが、斉藤洋さんは“できるだけの記憶を掘り起こして、書き留めておこう”と記しているだけに、実体験記録とよむか、フィクションとして愉しむかは自由ですが、ともあれ、不思議な体験をしたことのない僕にとっては、山深いところに故郷があることも含めて非常に羨ましく、ノスタルジックな感傷に浸かりながら、読むほどに減っていく残りのページをいと惜しく、でも読みたい気持ちと葛藤しながら読み進めていました。
先に出版されている「七つの季節に」の一部にも、同じ時代背景の描写が出てきます。もう少し成長した主人公の様子を描いたものですが、リンクさせながら読むとより楽しめると思います。
自然との触れ合いが少ない息子たちが、どこまで共感できるかわかりませんが、大人の読み物としては是非お薦めしたい一冊です。
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面白い視点で例えてある
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投稿日:2011/10/11 |
2011年テレビが完全デジタル放送に移行し、アナログという言葉に触れる機会がとんと減りました。改めて、アナログとデジタルの違いとは?と聞かれると、なんとなく理解していますが、子供に説明するには知識が浅過ぎます。そこで、1990年『たくさんのふしぎ』として出版されたこの絵本。数学・コンピューター理論に精通した野崎昭弘さんによる説明を、「ままです すきです すてきです」のタイガー立石さんの魅力的で親しみやすい絵で、とてもわかりやすく表現され、絵本の中のオニの子と一緒に読み進めて、理解できると“ピンポーン♪”と嬉しい音も鳴り響き、ますます気持ちも入って行き易く作られています。
面白い視点での例えも満載で、顔の表情は“なめらか”だからアナログ、ことばは“とびとび”でデジタルとか、おこめとおもちの例えもウィットに富んでいて、聞いてなるほど♪と感心してしまいます。
小学2年生の息子は最後まで喜んで聞いてから、家にあるものがアナログかデジタルか当てる遊びまでして、親子で十二分に楽しめました。
また、よく見るとページのどこかに“謎の三角形”が描かれいているのが気になりました。サインかな?とも思いましたが、他にも“カギ”が落っこちていて、最後のページにペアで登場するので、もう片方がどこかにあるのだろうかと、何度も戻っては探してしまいました。タイガー立石さんの愉快なイタズラなのかもしれないですね。
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ハトの必死な形相に大笑い!
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投稿日:2011/10/06 |
小2の息子はいたく気に入って、今まで読んだ絵本の中で、第2位のお気に入りになったそうです。
大人は一見すると(?)と思うかもしれない、ハチャメチャなストーリーです。
バスの運転手が『(バスを離れるから)ハトに運転させないで!』と頼んできます。
五味太郎さんの「きみはしっている」を連想するような、絵本の中のキャラクターが、読む人に話しかけてきます。
ハトが運転?どういうこと??と思っていると、すぐ後に登場するハトが、バスを運転してみたいの、と読む人にお願いしてきます。初めはそれとなく、だんだん強くなる口調。最後は、それはもう必死な形相での主張に、息子も僕も大笑いしました。
あまりの熱意に圧されて、どうやったらハトが運転できるか考えてあげたくなります。(足短くて届かんよなぁ…)
外国作品では、動物を擬人化したり、〜させてはいけないという作品をよく見かけますが、ハトの平和的なイメージが固着している日本とは、また違ったイメージを持っているのかもしれませんね。
出版元のアメリカでも子供たちにすごく人気があるようです。ちょうど息子の年頃、小学1〜3年生くらいにピッタリの作品です。
ちなみに、息子の第1位は『バムとケロ』シリーズ。永年不動のチャンピオンです。やんちゃな年頃だけに、ハチャメチャな作品が心に留まったのでしょう。
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すごいっ!
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投稿日:2011/06/14 |
季節や天気によって色んな表情を魅せる“雲”が題材です。
この作品を読んで、僕が小学生の時、友達の女の子が言っていたことを思い出しました。
「わたし、雲をみて物語を考えるの」
作者の富安陽子さんも、きっとそんな少女だったのでしょうか。
当時の僕は、どういうことか理解できず、ただすごく創造力があるんだなと感心するだけでした。
大人になった今は、やはり空想まではしませんが、夕焼け空をぼーっと眺めるのが好きになり、たまに「あの雲は何かに見えるね」と息子と話すことはあります。
また、掴みどころのない雲を、実写のような絵で描ける人はすごいっ!と思うようになりました。
この作品の見所は『くだもの だもの』の山村浩二さんの絵にもあります。写実的でインパクトが強いけれど、ほのぼのと親しみやすい画風が特徴的です。今回の主役は雲なので、キャラクターたちは一歩下がって、控えめに描かれているように映りました。
僕の中で雲といえば積乱雲(にゅうどう雲)です。りゅうの棲家と表現され、見た目にも力強く、怖いと感じるほどの存在感。でもなぜか目を惹きつけて放さない魅力があるんですよね。
また、朝焼けに染まるカーテン雲も、原画で見てみたいと思うほど綺麗な描写です。
“ちいさいかがくのとも”として見る以上に、価値のある作品だと思います。
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表紙だけでも絶対良い!
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投稿日:2011/06/06 |
「こどものとも」創刊50周年記念企画を見に行った時のこと。会場の壁には作品の変遷がところ狭しと展示され、作品数に圧倒され心踊らされながら、流し見るだけでも大変時間が掛かりましたが、数点ひと際目を惹かれた作品の中のひとつがこれでした。表紙だけでも絶対良い!と確信して(記録して)「いつかは読むぞ!」と興奮したことを憶えています。
表紙ではみんなの視線が一点に集まっています。その先に一体何があるのか、徐々に近づき、その先に意識を持っていかれると、実は“事件”は別のところで起きていて、意表をつかれてページをめくると、見開き一杯のすばらしい情景に包まれ、うっとりと眺めてしまいます。
僕も息子もお気に入りの作品となって以来、ことあるごとに「かじだよ、かじだよ」が口ぐせになっている我が家です。
嫌いな人はいないと思いますが、子供より大人の方が癒されるものかもしれませんね。
是非ハードブック化されて、沢山の方の目に触れて欲しいと願う作品です。ちなみに、入村定子さんは児童書創作集団「えほんじま」に参加されていて、そこでは『もっとおおきなたいほうを』の二見正直さんも活動されているようです。
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画がストーリーに合っている
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投稿日:2011/06/03 |
『てのひらむかしばなし』シリーズの、非常に印象深い作品です。
一風変わった画風の作品ですが、一枚一枚の画がストーリーにぴたっときてる感じがしました。部屋の中にいる弟と、それを外から覗き見る兄を、違った目線で複合させたカットは面白いです。
ストーリー的には『したきりすずめ』もそうですが、身内で明暗が分かれるというのは、身につまされるというか、どうも切なく感じてしまうのは僕だけでしょうか。意地悪で業突く張りな兄が悪いのは勿論ですが‥、そんな教訓めいたことは言わず“とっぴんぱらりのぷう”と、さらりと愉しむのが昔話の粋な読み方なんでしょう。
海が塩っぱいのに、こんな逸話があったとは面白いですね。海を見るたびに思い出しそうです。
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