夜空の打ち上げ花火の場面が大人気、夏の定番となっている渡辺有一さんの『ねこのはなびや』から13年。新たに冬の絵本として定着しそうな魅力的なしかけ絵本が登場しました!
とらねことうさんは、でんきの会社に勤めています。
今日は土曜日、仕事はお休み。
「さあ、やるぞ!」の声で家族が飛び出してきて、みんなで一斉に作業にとりかかります。
なにやら、屋根の上や家の窓、庭の木にも飾りつけをしているようだけど・・・。
もうすぐ仕上げにかかるというその時。
「ピカッ ピカッ!ゴロゴロゴロ バリ バリッ バリーン!」
あたりが真っ暗、町中が大停電になってしまったのです。
「ただちに ほんぶに ぜんいん しゅうごう!」「りょうかい」
とらねこ班、班長のとらねことうさんは、大急ぎで会社に向かいます。
「しろねこはんは はつでんしょへ!
くろねこはんは へんでんしょへ!
みけねこはんは そうでんてっとうへ!
とらねこはんは まちじゅうの でんしんばしらへ しゅっぱーつ!!」
それぞれの持ち場に出発し、点検や修理を始めます。
テキパキ動く作業員のかっこいいこと。
全ての点検が終わると、本部が動きます。
「スイッチオン」
すると・・・?
みどころはなんといっても、165個もの数の小さな丸が開いているしかけ!
クライマックスに向けて、どんどんにぎやかになっていく様子に心が躍ります。
6年に及ぶ取材から生まれたストーリー、そして試行錯誤の上で生まれた独自のしかけ。
ラストで仕事を終えたとらねことうさんを迎えたのは・・・。
作者渾身の一作が、読む人の心をほっと温めてくれます。
遊び心いっぱい、クリスマスのプレゼントにもぴったりな絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む