「とろ とっと とろ とっと トロッコでんしゃが やってきます」
走ってくる一台のトロッコ電車。
「のりますよ。のりますよ。こどもも こぞうも のりますよ」
「どうぞ どうぞ。どなたも どうぞの でんしゃです」
駅で子どもたちが乗りこみます。それに混ざって、子象? そうです、だって子象は「こぞう」だから。
随所にことばあそびを散りばめながら、トロッコ電車は、「とろ とっと とろ とっと」と進んでいきます。
子どもたちに動物、虫やおばけなど、たくさんのお客さんを乗せて、さまざまな場所をまわります。
最後のお客さんは「いちどでいいから のりものに のりたかったんだ」という、あの人(物?)。
『ようちえんがばけますよ』『おでんさむらい』などで子どもたちの心をつかんできた内田麟太郎、西村繁男のコンビが、ナンセンスで不思議な世界を生み出します。
どんどん変わっていく景色や、乗ってくるユニークな乗客たちを楽しむのもよし。ことばあそびでくすりとするのもよし。
乗客一人ひとりの様子をじっくり見て、「あのお客さんははいまどうしているかな?」「あ、あの乗客がこうなった」と、発見を楽しむのもよし。
たくさんの楽しみ方ができる、あそび心に溢れた一冊です。
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