うちのどこかにいるおばけ。
夜中に音がする部屋を、そーっとのぞくと
のっぺらおばけ〜(パック中のおかあさん)
ぼさぼさおばけ〜(髪を乾かすおねえちゃん)
あわあわおばけ〜(お風呂のおじいちゃんと、ぼく)
つまみぐいおばけ〜(冷蔵庫の前にしゃがみこむおとうさん)
・・・
あはは、ある、ある!と大人からすればニヤニヤしちゃう、かわいい「うちのおばけ」ですが、じつは、想像力豊かなうちの5歳児には本気でこわかったようなのです。
ペタペタ音がしたり、カラカラ何かまわる音、ヒタヒタと足音・・・
「そっとのぞくと、そっとのぞくと」というくりかえしの言葉にも、夜ひとりでトイレに行くときのこわさを思い出すようで、表情が固まっていました。
一度読みおえたら、なーんだ、という感じで笑顔。
でも二度目以降も読み手の声の出し方で「暗闇に何かいるかもしれないこわさ」がよみがえってきちゃう。
そのドキンドキンする感じ(それと、本当はいつものかぞく、という安心感も)が絵本ならではなんですよね。
ドキドキがもりあがって最後の7ページ
「くさきもねむるうしみつどきに・・・」
暗い階段から、下をのぞきこむぼく。
他のかぞくも全員そろって下をのぞきこんでいるみたいなのに
「めんたまおばけ〜」はいったい誰、誰!?
答えは・・・?
もちろん、特別こわがりじゃないみんなには全くこわくない、おかしくて笑えちゃう(そして歌える♪楽譜付)本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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