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ウィリーはサッカーが大すき。でも選手に選ばれたことがない。ある日ふしぎな少年が、サッカーシューズをくれた。それはまほうのくつだった! そしてとうとう選手に選ばれる。けれど試合の日、ウィリーは…? ●第45回・課題図書 ●国際アンデルセン賞受賞画家
Ehon Naviに出会う前に、息子達と親子ともどもはまっていたのが、アンソニー・ブラウンの作品です。
特に、ウィリーのシリーズはみんな大好きでした。
全部読破したのですが、投稿していない作品ばかりなので、再度読むことにしました。
この作品は1995年の発刊で、邦訳は1999年です。
「こしぬけウイリー」が1984年、「ウィリーとともだち」が1991年の作品で同じウイリーが主人公なのですが、話の連続性はありません。
「こしぬけウイリー」は自分に自信がないという設定、「ウィリーのともだち」は友達がいないという設定でしたが、今回は、サッカーが上手くないという設定です。
物語の訴求のポイントが明確なので、どの一冊を読んでも感銘できるということなのでしょう。
「ウィリーはサッカーが大好き。
でも、サッカーシューズをもってない。
買えないんだ」
という文章で始まりますが、この買えないんだという一文に、この話の伏線がある気がします。
ウィリーは、毎週サッカーの練習に参加するのですが、選手に選ばれたことがありません。
ある日、練習の帰り道、一人でサッカーをしている子に出会います。
流行遅れのジャージに、古いシューズといういでたちで、昔のパパが着ていたようなものらしいのです。
二人は、黙ってパスの練習をするのですが、その子は、自分のシューズを差し出すといなくなってしまいます。
ウィリーが、そのシューズで練習に参加すると見違える程上手くなって、次の試合のメンバーに選出されるのです。
ウィリーは嬉しくなって、毎日練習に明け暮れます。
試合当日、そのシューズを忘れてしまうのですが、実は、練習のお陰で本当に上手くなっていて、決勝ゴールを決めるのです。
絵を良く見ていくと、その子が誰だったのか分かります。
そのヒントが、隠絵としてあちこちに散りばめられているのが、アンソニー・ブラウンらしいところ。
ウィリーは、今まで縁起をかつぎ、歩道の継ぎ目を踏まないで歩いていたのに、全然気にしないで歩き、自信がみなぎっているさまで終わるので、最高のエンディングです。
絵の楽しさ、ストーリーの面白さに加え、諭すエピソードもあり、実に高い水準の絵本だと思います。
是非、パパに読み聞かせして欲しい作品として、オススメします。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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