ねずみのちびちびくんは、恋をしています。でも、その子はずっと上のほうにいるので、会いに行くのが大変。キスをしたいちびちびくんは、とにかく上を目指してがんばります。最初は指ぬきに乗り、その上にマッチ箱を乗せ、その次にスイカを乗せ……。
バレンタインにぴったりのかわいらしい仕掛け絵本です。主人公たちのサイズが異なるので、この恋には距離が存在し、ハラハラ、ドキドキ。ちびちびくんの恋が成就するのか、いつの間にか応援しています。恋のお相手はのびのびちゃんというのだけど、彼女がどんな子なのかはページを開いてからのお楽しみ。
ひとつひとつ踏み台になる「もの」が、仕掛けを駆使して紹介される趣向がかわいらしい。ページをめくるごと、微妙なバランスの上で精一杯背伸びするちびちびくんが健気です。
原書『Never Too Little to Love』で見つけ感動したのもつかの間、しっかり邦訳も出ていることを知りさらに飛び上がって喜んだ絵本でした。バレンタインに必読です。