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まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

新刊
きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語

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ヒラP21

その他の方・70代以上・千葉県

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自己紹介
子どもの通う小学校の読み聞かせをスタートに、絵本の世界に飛び込んだ私ですが、いつの間にか子どもは親離れ。
私だけが絵本の世界に残ってしまいました。
小学校、中学校での読み聞かせをベースに、障害者関連施設、高齢者福祉施設と新境地を開拓中です。

読み聞かせおすすめコーナー

公開

ヒラP21さんの声

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ふつうだと思う 虫に見えること  投稿日:2009/08/15
ぼく、ムシになっちゃった
ぼく、ムシになっちゃった 作: ローレンス・デイヴィッド
絵: デルフィーン・デュラーンド
訳: 青山 南

出版社: 小峰書店
ある朝目覚めるとグレゴリー・サンプソンは大きな虫になっていた。
カフカの「変身」の重さはないにしても、考えさせられる絵本です。
虫になったことを気づかない(認めない?)グレゴリーの家族。
自分が虫であることを気づくのは親友のマイケル一人です。
学校でも、自分が虫になってしまったことを訴えても、誰も認めてくれません。それどころか相手にされなかったり、怒られたり。

この本は絵本だから、自分たちは虫になったグレゴリーを目にしていますが、実は虫に見えていないのかもしれない。グレゴリーは虫ではないかも知れない。
これはとても含みのある話です。
人の目にはわからない自分を認めてもらうこと。これは大変な事です。

家に帰って、やっと家族は自分が虫であることを認めてくれました。
ここで、僕は思うのです。
やっぱり、家族の目にはグレゴリーは人間にしか見えていないのではないかな。
子どもの心を認めたということではないかな。

この絵本を人間のアイデンティティの認知と読むと、最後にグレゴリーが人間に戻ることで話はややこしくなってしまいます。

作者が何を言いたかったのか、読者に任されてしまうからです。

絵も文章も軽い絵本ですが、息子には難しかったようです。
私も悩んでしまいました。
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なかなかよいと思う たことともだち  投稿日:2009/08/15
エミールくんがんばる
エミールくんがんばる 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 今江 祥智

出版社: 文化出版局
ウンゲラーの絵本は、人間の中でいろいろな動物が主人公になりますが、今回はタコ。
人の気持ち、人の見方になれるタコのエミールの活躍。
ピアノを弾き、水泳を教え、海を守るエミール。
タコが主人公という意外性は大いに魅力ですが、少し展開がシンプルでひねりが弱いかも。
ストーリーと絵に複雑さがないので、ストレートに話せる絵本でした。
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自信を持っておすすめしたい 戦争体験に自分を重ねて  投稿日:2009/08/14
星はうつり雲は流れても 戦時下の東南海大地震秘話
星はうつり雲は流れても 戦時下の東南海大地震秘話 作: 山下 文男
絵: 遠藤 てるよ

出版社: 童心社
小学校高学年向けだというノンフィクション。息子が選んだ1冊です。
戦争の悲惨さというと、広島、長崎であったり東京であったり、扱われる場所がある程度限定されるように思うのですが、戦時下の東海地方を題材にしているところからして自分にとっても初めて知る事ばかりでした。

中学になる少女たちは、動員という名のもとに中島飛行機の工場で飛行機作りを仕事とすることになります。それも「国のため」という信念で厳しい生活を乗り越えていきます。

働いている時に起こった東南海大地震。軍需のため多くの鉄骨を抜いた工場の倒壊で多くの犠牲者が出ます。
そして、その後の空襲。
戦時中という状況の中で、事実は機密事項とされ封印されて終戦をむかえる。

自分と同じ年齢、これから向かう青春にこの事実を重ねると痛々しい思いになるようです。何事も受け入れるしかなかった当時。
このことを理解するのは難しそうですが。

私も「戦争をしらない子供たち」の一人ですが、いかに歴史を伝えるかということに心を痛めます。
この本に扱われた中島飛行機。
戦時中のこのような犠牲を持ちながら、戦後の日本を支える大企業となっています。

ノンフィクションは、書かれていることをまずは読んで、仮想体験してみることから始まると思います。
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なかなかよいと思う かわいいへび  投稿日:2009/08/14
へびのクリクター
へびのクリクター 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 中野 完二

出版社: 文化出版局
ブラジルで爬虫類の研究をしている息子からの贈り物がへび。
でも婦人はすっかりへびと友達になってしまいました。
こんな本を読むとへびも可愛く見えてくるから不思議です。
ウンゲラーの絵本を見ると、どうしても深いものを詮索してしまうのですが、この絵本はストレートに微笑ましく思える本でした。
挿絵のように抑えた絵。
毒気のない本もあるんだと少々意外に感じましたが、初期の作品だと思えば納得。
主人公にへびを選ぶところがウンゲラーらしいのかも知れません。
ウンゲラーにしてはまっとうな絵本でした。
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自信を持っておすすめしたい おもいっきり楽しめる絵本  投稿日:2009/08/13
ラシーヌおじさんとふしぎな動物
ラシーヌおじさんとふしぎな動物 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 田村 隆一 麻生 九美

出版社: 評論社
ウンゲラーのとても楽しめる絵本です。

税金集めが仕事だったラシーヌおじさん。定年を迎えて楽しみは自慢のナシを育てること。そこに現れたナシどろぼうがふしぎな動物…。

なんとなく気になって、話のてんまつを知ってしまうと「なんだ〜!」っていう絵本ですが、思いっきり楽しめる絵本です。
ふしぎな動物の正体がわかった時のドタバタ。
コントギャグのずっこけみたいな絵が楽しい。
それ以上にウンゲラーが楽しんでいるのが隅々に見られるのです。
ストーリーが終わってからもう一度絵本を見直してみてください。
それぞれの絵に、ウンゲラーのおふざけが必ず隠れています。

絵本がこんなに楽しかったの?
ストーリーだけではこの絵本の楽しさは見つけられないかも。

ウンゲラーは素晴らしい。
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自信を持っておすすめしたい メロップス一家の愛情  投稿日:2009/08/13
メロップスのわくわく大冒険 (2)
メロップスのわくわく大冒険 (2) 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 麻生九美

出版社: 評論社
1巻で見た大人のこだわり。
2巻では、さらに膨らみを見せてくれました。

第1話では、メロップス一家は家族で飛行機を作ります。
メロップスさんが子供たちに飛行機の作り方を教え、みんなで飛行機を作る。
みんなで力を合わせて完成させるのですが、その後に大冒険が。

第2話で、メロップスさんは、子どもたちにクリスマスツリーについて説明します。
子どもたちはそれぞれにクリスマスツリーを作り、家に置けないとなると必要としている人たちを探しまわります。
困っている人たちにクリスマスをプレゼントして帰ると、メロップス家でも素晴らしいクリスマスが。
冒険にはなりませんが、愛情たっぷり。

メロップス一家のような家族にあこがれるな。
第2巻では、父親の役割を学びました。表にはでないけど奥さんのやさしさもミゴト。
夫婦がひとつになっているから家族がまとまるんだと思います。

ウンゲラーさん、ありがとう。
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自信を持っておすすめしたい これって本当にハッピーエンド?  投稿日:2009/08/12
ゼラルダと人喰い鬼
ゼラルダと人喰い鬼 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 田村 隆一 麻生 九美

出版社: 評論社
ウンゲラーのとてもスパイシーな絵本です。

子どもたちを食べてしまうというとても怖い人喰い鬼。
何も知らぬ無垢なゼラルダが、こともあろうに自分を食べようとして足をすべらせ気絶してしまった鬼を助けてしまいます。
ゼラルダの作る料理に大満足の鬼は、仲間たちとともに子どもたちを食べることを止め、最後にはゼラルダと結婚して幸せに暮らしました?

子どもたちを食べてしまうという、とてもインパクトのある恐怖感から良いひと人になったように思える鬼。
ハッピーエンドだと人は言うけど、ウンゲラーの狙いはその上を行っているかもしれない。

だって、最後の絵、子どもの一人が後にナイフとフォークを隠しているじゃないですか。
そういえばゼラルダが人喰い鬼のために作った料理の豚の丸焼きの絵。
その前ページでは荷車の中から豚が不安げに覗いている。
ページをもう一度進めてみると、ロバが「いいのかなあ?」って顔をしている。
鬼たちは子どもを食べるのを止めたけど、良い鬼になったなんてことどこにも書いてない。

私は最後のページに「続く」と書いてあるように見えてしまいました。
続編があれば、とんでもないどんでん返しがあったりして。
これがウンゲラーの世界です。

奥さんも同じようなことを言っていましたが、純真な子どもにこんな解説は無用です。
ハッピーエンドでホッとしている子どもたちには内緒にしておきましょう。
参考になりました。 5人

自信を持っておすすめしたい 子どもに見せる大人の技  投稿日:2009/08/12
メロップスのわくわく大冒険 (1)
メロップスのわくわく大冒険 (1) 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 麻生九美

出版社: 評論社
ウンゲラーの第一作として見た絵本。
その後の絵本の破天荒さと比して、極めてシンプルな絵調です。

しかし、文章の面白さの中に、とても素晴らしいものを見つけました。
絵や話のディテールの中に、大人としてのこだわりが強く入っているのです。
子どもたちに冒険話をする際に、「石油を採掘するためにはこんなことが必要で、石油はこんな場所にあるんだよ」とか、「宝物を見つけたのはいいけど、船をこわしたら弁償しなければいけないんだよ」とか、「地底の洞穴にはこんなことがあるんだよ」とか、子どもたちにはどうでも良いこと(ゴメンナサイ)に、とても几帳面にこだわっている。
それに、お父さんは何でも屋のように、いろいろと技を出してくる。
これを見るとお父さんて何でも出来ちゃうんだねと、子どもたちにとって偉大な人間に思えてくる。

これって、子どもの夏休みの宿題で出番を見つけたお父さんが、いつの間にか自分の方が夢中になっているような感覚。
でも、子どもが大きくなって、「お父さんが言っていたこと分かった」と思って父親の評価がワンポイント上がる要素だと思う。
チャランポランかそうでないか、とても大事なポイントだと思います。

この本は、子どもに読み聞かせを無理強いするような本ではないかもしれませんが、この本は親にとって教わるところが大だと思いました。
そして、おの処女作があったからウンゲラーの大世界が構築されたのだと思えば、ウンゲラーの破天荒を予感させる作品でもあります。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 同じ場所の移り変わりを見つめて  投稿日:2009/08/11
はらっぱ 戦争・大空襲・戦後…いま
はらっぱ 戦争・大空襲・戦後…いま 作: 神戸 光男
絵: 西村 繁男

出版社: 童心社
荒川の工場地帯。
1932年から現代(1997年)まで、同じはらっばを通して町の移り変わりを淡々と描いています。
昭和初期から軍国主義化される日本、大戦と東京大空襲、そして戦後から高度成長へと、絵の下の簡単な解説以上に、詳細に描かれた風景は饒舌です。
右から左に書かれていた文字。町中に映画館があった時代。
自分が経験していない時代から、自分の成長に重ねる時代にかけて、時には自分の思い出を掘り返しながら子どもと一緒に絵を眺めました。
この本は、戦争の悲惨さを伝えるものかも知れませんが、歴史の流れによって町がどのように変わっていくかを子どもに感じさせる良い本だと思います。

そして、歴史を描く本の悲しさ。
「現代」はいつまでも「現代」ではないことを伝えなければいけないと課題を残します。
絵本の「はらっぱ」はもうないかもしれない。
背景の空のどこかに高速道路の高架が見えて、町がすっかり囲まれているかもしれない。
この絵本が出されてから12年。日本はさらに変わりました。


ついでながら、子どもたちには伝えたい一言。
「次にこの風景を変えていくのは、君たちたち自身なんだよ。」
いつも一言多いおやじです。
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自信を持っておすすめしたい 母親の死と子供の成長  投稿日:2009/08/08
おかあさんのばか
出版社: 窓社
「たかちゃんとぼく」で気になっていた写真家の細江英公さんの素晴らしい写真集を見つけました。
でも、主役は被写体の古田幸さんと、彼女の詩。
突然に母親をうしなった小学6年生の幸さん。彼女の書きつづった詩。それからの生活に密着して、学校の先生だった父親と中学生の兄と3人の生活、女手として頑張り続ける幸さん、家族風景を重ねていきます。
素朴な詩が、母親を亡くした等身大の12歳を表現していて心打たれます。
細江さんも、幸さんをまるごと包み込むようなカメラアイ。
この本そのものが幸さんであるかのようです。

ただ、不思議なことにこの本、英語版で出版されながら、国内では40年過ぎての出版だとか。

その間に幸さんのお父さんは亡くなったけど、幸さん自身は結婚して二人の子どもの母親となり幸せに暮らしているとのこと。
幸さん自身、小学生当時の自分を振り返って、懐かしさと悲しさと、心を閉ざしていた自分にびっくりしたとのこと。結婚し母となって見直してみると、父への感謝でいっぱいだとあとがきにありました。

考えると、幸さんは自分と同じ年かも知れない。

幸さんの詩の下に、父親茂美さんのコメントがそっと添えられているのも、母を失った家族を思う上でとても貴重なことだと思います。
12歳の子ども、親、そして小学校を卒業して40数年経った親には特にお薦めの本です。
参考になりました。 0人

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