谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語
大切な人との死別、その悲しみの深さは当人にしかわからないもの。どうやって向き合えばいいのか、この答えがわかる人だっていません。それなのに、それは大人も子どもも関係なく、誰にでも突然やってくる出来事なのです。絵本の中にもやっぱり答えはありません。それでも、どこかのタイミングで心を包んでくれることがあるのなら…。「死」を考えるということは「生きる」ことを考えるということでもあります。それぞれの向き合い方で命を描いた絵本を集めてみました。まずは大人が先に読んでおくのがいいかもしれませんね。
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愛するものとの死別、この絵本ではずっと一緒に育った犬のエルフィーと男の子の別れの話です。男の子はエルフィーが生きている頃から毎晩「エルフィー、ずーっとずっとだいすきだよ」と言い続けていたので悲しみはいくらか和らいだのです。生きているうちに想いを伝える・・・とっても大切な事なんだと改めて気づかせてくれます。
みんなから慕われとても頼られていたアナグマが死んでしまった。かえがえのない友人を亡くして悲しみにくれる仲間達。後に残されたもの達が悲しみをどう乗り越えていくのか、動物達に置き換えてとても優しい眼差しで描かれています。アナグマが残してくれたおくりものとは・・・。
しんだおじいちゃんがかいた「このあと どうしちゃおう」ノートがでてきた。「じぶんが しょうらい しんだら どうなりたいか」が、かいてある。「うまれかわったらなりたいもの」「こんなかみさまにいてほしい」なんだかおじいちゃん、たのしそう。ぼくだったら…。
死んじゃったはずのおじいちゃんがエリックの部屋へやって来た!この世に忘れ物があると人はおばけになっちゃうんだって。忘れ物って何だろう・・・おばけになったおじいちゃんとエリックは一緒に考えます。ユーモラスで構えることなく自然に「死」と向き合えそう。
ママを亡くした男の子のもとに現れたゴリラ。「ママはどこにいったの?」「いつになったらかなしくなくなるの?」男の子の問いかけに、一つひとつ答えていきます。大切なひとを失う悲しみを、大きな腕で丸ごと抱きしめる絵本。
天国のおとうちゃん、元気にしてますか。
幼いころに亡くした父との、少ないけれど大切な思い出。人気絵本作家、長谷川義史が描く、温かいユーモアで包み込まれた父と子の交流が、心にしみ渡る1冊です。
「悲しみ」という感情をとことん突き詰めた大人の為の絵本。「家族の死」というどうしようもなく深い悲しみを正面から向き合い救われない気持ちにもなるのですが、そこから浮かび上がってくるものは何でしょう。生きている人への慈しみでしょうか。
自分の死期を悟った年老いたゾウと一緒に暮らすネズミ。やがてネズミも心が成長していき、ゾウの死期を受け入れられる様に。大好きなゾウの為にどうしたら本当の幸せになれるのか考えます。
死を受け止めようとする健気なネズミの姿が印象的です。
おじいちゃんが自分の人生を振り返り、孫に話して聞かせます。「自分の人生は幸運だった。」と。子供の頃からおじいちゃんのそばにはいつも天使が見守って助けてくれていたのです。
決して平坦ではなかっただろうおじいちゃんの人生も天使の存在で心が満たされていきます。そしてその存在は孫に受け継がれていくのです。
おじいちゃんっ子であればある程避けられなくなる「死別」。でもこの絵本を読んでいると、おじいちゃんの口癖「ごくらくごくらく」がすっかり自分にも染み込んでいる様な触れ合いができた事がとっても幸せな事なんだ、だからこそ悲しみを乗り越えられられるんだと教えられます。
ひとつのいのちが終わっても、忘れずにいれば、共に生きる明日がそこにある。そして、豊かな自然はのこされて生きるものをやさしく包み、生きる力を与えてくれる。子どもたちにとっても、みぢかな人やペットなどの「死」に直面する場面があります。のこされて生きること、そして、かなしみの冒険の先にある希望を描いた絵本です。
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