「ミライのミイラ」。
未来?ミイラ?つながりのないような二つの言葉を結びつけた謎の人物。一体、だれなんでしょう?
目に飛び込んでくるのは、インパクト絶大のビジュアル!未来(「ミライ」)都市を背景にポーズを決める、そう彼は、スーパー「ミイラ」くんです!
眠りから目覚めて5000年、知識のかたまりミライのミイラは、10010歳。
なんでも知ってる彼は、スーパー科学者でなんでも発明!すごいのです。
ある時は、ちょちょいのちょいで瞬間移動装置を大発明!
あっというまに、ロシアに行ってイワンさんのワインを買ってドイツのツドイ(集い)に参加したり。
次の瞬間に、オタル(小樽)で買ったタオルをカメアリ(亀有)に住むアメリカ人とカナダに住むナカダ(中田)さんにその日のうちにプレゼントしたり。
ある時は思いつきで、ロケットをつくって宇宙にお出かけ。
カナリアもアリカナなんて考えながら、ケロットすましてロケットに乗っています。
毎日毎日素敵な暮しをミイララシク(らしく)、クラシ(暮し)ていたのですが博物館で見た石版に、故郷エジプトの文字が・・・。そこに記されていたのは、ミライのミイラへ宛てた過去の両親からのメッセージだったのです!!さて、それを読んだミライのミイラはある決意をかためるのです。
みなさんもさすがに気づかれましたか?
ミライ→ミイラのように、単語の文字を入れ替えて別の単語にする「アナグラム」を絵本の中で余すことなくちりばめ、言葉の遊びを追求しているのがこの絵本の醍醐味。愉快な言葉遊びに挑戦したくすのきしげのりさんと「妖怪横丁」「妖怪温泉」などユーモアたっぷりの登場人物を魅力的に描く広瀬克也さんがタッグを組んだのだから最強です。
是非とも声にだして読んでみてください。日本語って面白い!って実感させてくれます。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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